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最強のアンチエイジング法! 老化は病気? 生命科学の先端研究から学ぶ方法とは?

公開日:2023.04.04
更新日:2025.03.14
 

「いつまでも若々しく」「年齢を重ねても健康でいたい」という思いは、多くの方にとって共通の願いです。そのような人類共通の願いを実現するため、世界中の研究者によってアンチエイジング研究が日々進められています。そして、先端の医学研究では最強のアンチエイジング方法が分かってきたのです。

そこで今回は、近年の研究から分かる最強のアンチエイジング方法を分かりやすく解説します。年齢に関係なく若さをキープしたい方はぜひ最後までご覧ください。

そもそもアンチエイジングとは?

アンチエイジングとは、加齢による体や心の変化を緩やかにして、身体的な機能の衰え(=老化)をなるべく小さくし、若さや健康を保つ考え方や方法を指します。認知症や骨粗しょう症などを始め、皮膚の老化や老眼、歯消失なども老年病といわれており、アンチエイジングの対処領域です。

美容分野では、見た目を若々しく保つ研究が早くから行われており、しみやしわ対策などの技術が進歩しています。医療や健康分野においても、健康寿命(健康上の理由から日常生活が制限されない状態)を長くする研究や病気の発症リスクを下げる技術が目覚ましい発展を遂げています。病気の治療目的でなくとも、さらなる健康のために、各領域でアンチエイジングは注目されているのです。

老化を促進する5つのストレス(危険因子)

予防医学の第一人者である同志社大学の米井嘉一教授が出した著書「最新医学が教える 最強のアンチエイジング」では、老化には5つのストレス(危険因子)が関わっていると解説しています。

▼老化を引き起こす5つのストレス(危険因子)

  1. 免疫ストレス
  2. 酸化ストレス
  3. 心身ストレス
  4. 生活習慣
  5. 糖化ストレス

ストレスというと、メンタルのストレスをイメージする方も多いでしょう。しかし心のストレスだけでなく「免疫ストレス・酸化ストレス・糖化ストレス」といった、生活習慣に起因する身体的なストレスも老化に関係しています。

中でも特に注意したいのが「糖化ストレス」と「酸化ストレス」で、老化を加速させてしまう大きな要因になります。これらは「生活習慣」の乱れによって起こるので、食事・運動・睡眠が乱れがちな方は老化が加速しているかもしれません。

「糖化ストレス」が老化や病気の引き金に

アンチエイジングについて理解を深める上で、避けては通れないのが「糖化ストレス」についての知識です。

「糖化ストレス」とは過剰な糖分の取り過ぎによって起こるストレスで、著書の中では「身体がコゲること」と表現しています。体の糖化が進むと糖尿病や高血圧、がんなど生活習慣病の引き金になってしまうといわれています。

また「糖化ストレス」は、体の中でAGEs(最終糖化産物)を作り出す点にも注意が必要です。AGEs(最終糖化産物)とは、過剰な糖がたんぱく質にこびりついてしまい、本来の機能を失ってしまうだけでなく、細胞や臓器に炎症を引き起こし、結果的に老化を早めてしまうものです。体の主要なパーツのほとんどがたんぱく質でできているので、AGEsが増えてしまうと、健康維持に大きな悪影響を与えてしまいかねません。

老化を加速させる「糖化ストレス」って?生命科学に基づく老化メカニズムとは

「血糖スパイク」はアンチエイジングの最大の敵!

アンチエイジングの最大の敵ともいえるのが「血糖スパイク」です。

血糖スパイクとは食後高血糖のことで、食後の血糖値が140を超える状態のことをいいます。血糖スパイクが起こるとアルデヒドが大量発生し、たんぱく質がAGEs(最終糖化産物)に変化して蓄積してしまいます。AGEs(最終糖化産物)が蓄積されると細胞が活性化しなくなり、DNAが修復されにくくなって、さまざまな不調・病気に影響してしまうのです。

▼「AGEs(最終糖化産物)」蓄積による不調・病気

  • 肌の衰え
  • 骨や関節の不調
  • 白内障
  • 認知症
  • がんの発症率アップ など

つまり血糖スパイクは、老化や病気の引き金になる糖化ストレスを加速させるものと考えられます。健康診断で血糖値を指摘された方や、日頃から甘い物をよく食べている方は注意が必要です。

遺伝子を損傷する「酸化ストレス」

「糖化ストレス」に加えて、老化を加速させるのが「酸化ストレス」です。酸化ストレスは活性酸素の酸性が過剰になり、抗酸化防御機能のバランスが崩れた状態のことを指します。酸化ストレスをケアしないでいると、遺伝子が損傷してがんの発生率が上がってしまう恐れがあります。老化や生活習慣病にも影響するため、糖化ストレスと同様に避けたい老化の危険因子です。

老化を予防するための「食事」の取り方

いったん老化スイッチが入ってしまった方でも、生活習慣の改善によってオフにできます。老化予防は早ければ早いほど巻き戻しやすくなるので、今日からできる具体的な対策方法を実践していきましょう!

ベジファーストで「血糖スパイク」を予防しよう!

アンチエイジングの大敵「血糖スパイク」を予防するために効果的な食事法が「ベジファースト」です。

ベジファーストとは、食事の最初に野菜を食べること。野菜→たんぱく質→炭水化物の順番で食べることで、血糖値が緩やかに上昇するので血糖スパイクを予防しやすくなります。野菜はお浸しやスープなどで用意してもよいでしょう。キノコや海藻類も食物繊維を豊富に含んでいるので、野菜に含みます。

▼ベジファースト

  1. 野菜を食べる
  2. たんぱく質(肉・魚・卵など)を食べる
  3. 炭水化物(ご飯やパンなど)を食べる

また、食事の割合は「たんぱく質2:脂質2:炭水化物6」のバランスを意識してみましょう。「ベジファースト」や食事の割合に気を付けながら3食きちんと取ることで、「血糖スパイク」が起こりにくくなります。

食事のおすすめ時間は朝食8時、昼食13時、夕食18時。寝る2時間前までに食事を済ませておくのがポイントです。

「糖化ストレス」を改善する食事法&運動法で若々しく元気な身体を保とう!

老化予防のために気を付けたい飲み物

老化予防のためには、飲み物にも気を付けることが大切です。血糖値の急上昇は食事だけでなく飲み物でも起こるので、特に甘いジュースや100%の果汁ジュース、18時以降のコーヒーは控えましょう。また、アルコールも過剰に飲むと血糖値をコントロールしにくくなるので注意してください。

おすすめはカモミールティー、ドクダミ茶、柿の葉茶などのハーブティーです。これらはAGEs(最終糖化産物)の生成抑制作用もあるので、積極的に取り入れてみてください!

高脂肪食は「脂肪が脂肪を呼ぶ」ことに!

糖化ストレスと平行して注意しておきたいのが高脂肪食依存症、いわゆる脂肪の取り過ぎです。特に年齢を重ねていくと、体の脂肪細胞は仲間を呼びやすい状態になってしまいます。体の脂肪が「もっと脂肪を食べて!」「運動しないで!」と命令する物質を出すようになってしまうのです。著書の中では、「高脂肪食依存症」のことを「脂肪が脂肪を呼ぶ」と表現しています。

また、高脂肪食は体内で活性酸素が発生しやすくなるので、肥満につながるだけでなく老化を促進してしまいます。アンチエイジングを意識するなら、こってり・ギトギトな脂っこい食事はできるだけ控えましょう。

腸内環境を整えることも老化予防につながる

アンチエイジングを意識した食事において、注目したいのが「腸内細菌」の働きです。

腸内細菌にはアトピーやアレルギーを緩和したり、免疫反応を高めたりする効果があります。腸内の善玉菌を増やすことで、下痢・便秘を改善したり、ストレスを緩和したり、肥満を予防することにもつながるのです。また腸内細菌が活発な状態でいると、しみやしわを増やす活性酸素を退治してくれるので、見た目の若々しさを維持することもできます。

腸内環境は脳にもつながっているので、食べるものがダイレクトに老化に影響します。腸と脳がつながっている「腸脳相関」については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらも併せてチェックしてみてください!

健康寿命を伸ばすには腸内フローラが鍵!?腸内環境を改善する方法とは

若返りホルモン「DHEA」が老化を防ぐ

アンチエイジングにおいて、重要になるのが「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」という寿命に関係するホルモンです。

DHEAには若さを保つ働きがあり、生活習慣病や認知症のリスクを軽減してくれます。しかし「DHEA」は20代以降、加齢によって分泌が減少してしまいます。つまり年齢を重ねても、若返りホルモン・DHEAがしっかりと分泌されていれば老化の予防が期待できるのです。

DHEAを減らさないためには、「糖化ストレス」「酸化ストレス」を改善することが重要です。食事だけでなく運動・睡眠などの生活習慣を改善し、「糖化ストレス」「酸化ストレス」を軽減させましょう。

夜にしっかり睡眠を取ることでエステいらずの若々しさへ!

若々しい美肌になりたいなら、睡眠をしっかりとりましょう。

睡眠時間を長くすることはもちろん、夜に睡眠を取ることがポイントです。夜に規則正しく眠ることで、成長ホルモンの分泌に大きく影響します。良質な睡眠は「エステや高価な化粧品いらずの肌になれる」といわれているほど、肌に嬉しい影響をもたらすそうです。4〜6週間前の睡眠状態が肌に出るといわれているので、未来の美肌を作るために夜はしっかり眠りましょう。

▼良質な睡眠を取るポイント

  • 夜に睡眠を取る
  • 部屋を真っ暗にする
  • 寝る前に激しい運動はしない
  • 布団の中でスマートフォンを見ない
  • 朝起きたら太陽の光を浴びる

静かな就寝環境がベストですが、静か過ぎると眠れない方は「小鳥のさえずり」「川のせせらぎ」など脳のアルファ派を刺激するような音楽をかけてみてください。朝起きたら太陽の光を適度に浴びて、メラトニンの分泌を止めることも重要です。

また、睡眠時間が3時間を切ると「血糖スパイク」が急激に起こりやすくなるといわれています。「糖化ストレス」を改善するためにも、十分な睡眠を取ることが大切です。

睡眠不足が糖化ストレスを強くする?甘いもの好きでもできる睡眠改善法とは

バランスよく運動を取り入れて筋肉を保とう

「糖化ストレス」「酸化ストレス」をケアするためには、運動をバランスよく取り入れることも大切です。

30歳を過ぎると年1%ずつ、65歳を過ぎると3〜4カ月ごとに1%ずつ筋肉が衰えるといわれています。筋肉量が減ると「糖化ストレス」が高まってしまうので、短い時間でも体を動かすように意識しましょう。アンチエイジングのために鍛えたい筋肉は、男女で異なります。男性は腹筋・背筋、女性はふくらはぎを意識して鍛えると良いでしょう。

アンチエイジングのためにおすすめの運動はウォーキングです!

▼アンチエイジング効果を高めるウォーキングのポイント

  • 歩数を増やし最大10,000歩
  • 食後30分後、15分程度歩くこと
  • 細かい手作業も加えると認知症予防効果も

痩せたり、便秘が改善したり、血圧が適正化されたり……ウォーキングはメリットばかり!通勤や通学、ちょっとした買い物なども、積極的に歩いてみると良いでしょう。ウォーキングの他には、下半身の筋肉を鍛えられる「スクワット」も効果的です。

運動が苦手な方は、ストレッチだけでも取り組んでみましょう。ストレッチは老化予防やストレス対策にもなるので、ぜひ心と体のためにも少しずつ取り入れてみてください!

「糖化ストレス」を改善する食事法&運動法で若々しく元気な身体を保とう!

老化を諦めないで! アンチエイジングで若々しさを保とう

生命科学における先端の医学研究では、「老化」は病気だから治療も予防もできると考えられています。

今すぐ取り組めるアンチエイジングは、食事・運動・睡眠など生活習慣を改善することです。そして老化にもっとも悪影響なのが「安静」なので、体に負担にならない程度に少しでも体を動かしましょう。アンチエイジングの最終目的は「幸せな生活を送ること」。アンチエイジングで心も体も若々しく、ハッピーになって、一人ひとりがより良い社会を作っていきましょう!

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