・医療法人社団KYG医療会 ハタイクリニック 院長
西脇 俊二
数々の人気ドラマの医療監修を担当した名医。
ハタイクリニックの院長として、断糖、オーソモレキュラー、アーユルヴェーダ、高濃度ビタミンC点滴、免疫置換療法など、多様かつホリスティックなアプローチで患者さまの健康な生活をサポートしながら、メディア出演、医療監修、執筆など多数の分野で活躍中。
糖質制限はダイエットや糖尿病の治療目的で行うイメージが強いかもしれませんが、年齢を重ねた女性の多くが悩まされる更年期障害の症状緩和にも効果が期待できます。
その他に、生理前に起こる月経前症候群(PMS)の症状にもよい影響を与えてくれます。
今回の記事では、糖質制限と更年期障害との関係や、女性のつらい症状への嬉しい効果について説明します。
更年期障害が起こる理由
糖質制限と更年期障害の関係
更年期障害以外に体に与える良い影響ト
更年期障害は、40代半ばから女性の多くが悩まされる不快な症状。
しかし、糖質制限と更年期障害はどのような関係があるのでしょうか?
代謝が悪くなると女性ホルモンの分泌量の低下が起こり、理由もなくイライラしたり、気温が高くないにもかかわらず体がほてるなどの更年期症状を感じます。
更年期障害の症状はイライラやほてりなど、自律神経が関係する症状が多いのが特徴です。
この自律神経は、糖質の過剰摂取により、交感神経が興奮しやすくなってしまうことがわかっています。
そのため、糖質制限を取り入れると糖質の摂取量が減り、交感神経を刺激しなくなるため、副交感神経が優位になります。
副交感神経が優位になると人間の体はリラックスモードになるので、自律神経症状が落ち着いてくるのです。すると、自律神経によって重くなっていた更年期症状もだんだんと軽くなってきます。
糖質制限の食事では、糖質の多い炭水化物中心の食事から、糖質の少ないタンパク質中心の食事へと変えていきます。このタンパク質はホルモンの原料になります。
女性は年齢を重ねるごとにホルモンの分泌が低下していきます。
そのため、糖質制限でタンパク質の摂取を増やすと、ホルモンバランスの乱れが原因となる自律神経症状が緩和されるのです。
糖質制限では、食事制限だけでなく適度な運動を取り入れながら実施していきます。
運動を習慣化すると血液の循環がスムーズになるため、代謝が活発になり、体温が上がります。
更年期障害の症状では体の冷えに悩まされる方も多くいますが、糖質制限に運動を加えることで体の冷えも改善されるというのもメリットです。
女性ホルモンが関係している症状には、更年期障害のほかに月経前症候群(PMS)もあります。
月経前症候群は生理が始まる1週間ほど前から、生理が開始した日まで続く、イライラや気分の落ち込みなどの心身の不調が主な症状です。
しかし、糖質制限を取り入れると自律神経を落ち着かせられるため、月経前症候群による不快な症状も感じにくくなります。
更年期障害や月経前症候群の症状には個人差があり、軽い人もいれば日常生活に支障が出るくらい重い人もいます。
糖質制限を行うことでつらい症状がやわらぎ、今までより快適な生活が送れるはずです。
まずはできることからでもよいので、糖質を減らす食生活を始めてみてはいかがでしょうか。
糖質の摂取を減らすと副交感神経が優位になり、自律神経症状が落ち着く
糖質制限でタンパク質の摂取が増えるのでホルモンバランスが整う
糖質制限は女性ホルモンが関係するPMSにも効果的
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