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更年期はいつから始まる? 代表的な症状と対処法を解説

公開日:2024.03.01
更新日:2025.02.14
 

「更年期はいつから始まるの?」「これって更年期の症状?」と、不安に感じていませんか?

更年期は一般的に40代半ばから50代にかけて始まり、閉経の前後約10年間が該当するといわれています。急なほてりや発汗、気分の落ち込みやイライラなど……更年期の不調は、とても大変なイメージがありますよね。

本記事では、更年期が始まるタイミングや特徴的な症状、対処法について詳しく解説します。正しい知識を身に付けることで不安を軽減し、前向きに更年期を迎えましょう。

更年期が始まるタイミング

女性は40代を過ぎると、少しずつ更年期の症状が現れ始めます。では、どのようなタイミングで「もしかして更年期かも?」と気付けばよいのでしょうか。

更年期の平均年齢は45〜55歳

更年期とは、閉経の前後10年間のことをいいます。

日本人の平均的な閉経年齢は50.5歳なので、更年期はおおよそ45〜55歳の時期を指します。

ただし、更年期や閉経の年齢は個人差があります。人によっては30代後半から更年期の症状が起こることもあり、一概に「いつから」「何歳から」とは断定できないのです。

プレ更年期

更年期に先立って、プレ更年期と呼ばれる時期があります。

医学的にプレ更年期が定義されているわけではありませんが、一般的にプレ更年期とされるのは、35〜44歳くらいまでのタイミングです。更年期は女性ホルモンの分泌量が大きく影響していますが、閉経を迎えるタイミングには個人差があり、35〜44歳くらいから女性ホルモンの分泌量が減少し始める方も少なくありません。

プレ更年期では女性ホルモンの分泌量の変化が始まるのに伴い、更年期に似た症状が現れることがあります。

アフター更年期

一般的にアフター更年期とは、更年期が終わる55歳以降のことです。

アフター更年期に入ると更年期に見られるさまざまな不調が治まりますが、女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」がほとんど分泌されなくなるため、更年期前にはかかりづらかった病気にかかりやすくなる方もいます。

具体的には糖尿病や動脈硬化、高血圧などの生活習慣病の他、子宮体がん、骨粗しょう症などが挙げられるでしょう。また血流の悪化や筋肉量・骨密度の低下によって、肩凝りや腰痛、冷えなどの不調を感じる方もいます。

40歳を目安に更年期を意識しよう

更年期の症状を感じ始めるタイミングは人それぞれですが、40歳を目安に更年期を意識して生活するとよいでしょう。

女性ホルモンの分泌量は、40歳を過ぎる頃から徐々に低下します。そのため40歳になったら更年期があることを視野に入れ、前もって心の準備をしておくことが大切です。

更年期の不調が起こる仕組み

更年期になると、どうして心や身体がつらくなってしまうのでしょうか。

女性ホルモンの急激な低下

更年期に不調が現れるのは、卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少が主な原因です。

女性は40歳頃になると、女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」の分泌が減少します。すると身体のホルモンバランスが乱れ、身体的・精神的な不調を引き起こしてしまうのです。

女性ホルモン低下による脳の混乱

脳の視床下部という部分は、女性ホルモンを分泌するように司令を出しています。

しかし更年期世代の女性は卵巣機能が低下しているため、司令を出しても女性ホルモンが分泌されません。すると脳がパニックを起こし、女性ホルモンを分泌させるために司令を多く出してしまうのです。

更年期の初期に生理周期が短くなりやすいのは、これらの指令により卵巣が過剰に刺激されて排卵が早く起きることや、女性ホルモンの低下から黄体期が短くなるためと考えられます。

また、脳の視床下部は私たちの「自律神経」を司っています。脳のパニックによって「自律神経」も同時に乱れてしまうため、自律神経に関連する不調も起こりやすくなるのが特徴です。

更年期の代表的な症状

更年期による症状の数は、なんと200〜300種類もあるといわれています。どのような不調が起こるかは個人差がありますが、ここでは代表的な症状をチェックしておきましょう。

月経周期の乱れ

更年期の始まりとして分かりやすいのが、月経周期の乱れです。

個人差はありますが、閉経が近付いてくると月経周期がいつもより少し短くなります。24〜26日周期で生理がくるようになったら、更年期の初期症状を疑いましょう。

自律神経の乱れからくる症状

自律神経の乱れからくる症状も、更年期の始まりのサインです。

・体温調節がうまくいかない
・眠りたいのに眠れない
・寝不足ではないのに眠ってしまう
・日中なのにやる気が出ない
・動悸や息切れ
・血圧の上下
・頭痛やめまい

上記の他にも自律神経失調症と同じような症状が現れたら、更年期からくる不調の可能性があります。

ほてりやのぼせなどのホットフラッシュ

更年期には、エストロゲンが減少することで自律神経が乱れ、ほてりやのぼせなどのホットフラッシュが起こる方も多いです。

ホットフラッシュが起こると、気温や室温に関わらず、急激に熱感や発汗を感じ、脈も早くなったように感じます。2〜4分程度で治まることがほとんどですが、一日に複数回ホットフラッシュが起こってしまう方もいるでしょう。

更年期の女性のうち、3分の2程度の方はホットフラッシュが起こるといわれています。全身にほてりやのぼせを感じることもあれば、顔のみに感じるケースもあるようです。

心が不安定になりやすい

ホルモンバランスや自律神経の乱れにより、心のバランスも崩れやすくなります。

気分が落ち込んだりイライラしたり、感情のコントロールが難しくなるのも更年期の特徴です。

肩凝りや腰痛

肩凝り・腰痛や手足の痛みも、更年期に現れる場合があります。

なぜなら、自律神経の乱れによって血液循環が悪くなり、乳酸などの老廃物がたまってしまうからです。また加齢による筋肉の衰えも、血行不良や痛みに影響することが考えられます。

肌の乾燥

女性ホルモン「エストロゲン」が減少すると、肌のコラーゲン低下につながります。コラーゲンは肌の水分を保ち、しなやかさを保つ役割を果たしています。コラーゲンが減少することで乾燥し、しわ・たるみができやすくなってしまうのです。このことから、更年期からは肌の乾燥やしわ・たるみも目立ちやすくなります。




疲れ目・ドライアイ

疲れ目やドライアイも、更年期に起こる症状の一つです。疲れ目やドライアイが起こるのは、女性ホルモンの減少に伴って、涙の質が変化することが原因とされています。

目の疲れ・乾燥を感じたり、ものがかすんで見えたりする他、涙や目やにが出やすくなる方、目に痛みを感じる方もいます。

抜け毛・白髪

女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」は、髪の健康にも関係しているため、更年期に入ると抜け毛が増えてしまう場合があります。更年期はストレスを感じやすい時期でもあるので、ストレスからくる血行不良で髪に必要な栄養が不足し、抜け毛や白髪になる方もいます。

また年齢を重ねることによって、細胞を老化させる活性酸素の生成量が増えるため、髪の毛の色素を作り出すメラノサイトの働きが弱まることも、白髪が増える原因の一つです。

しみ・しわ

更年期は女性ホルモンの「エストロゲン」が減少することによって、しみやしわが現れやすいです。

エストロゲンはターンオーバーや肌のバリア機能にも関わっている他、肌に弾力をもたらすコラーゲンの生成にも関わっています。エストロゲンが減少することで、ターンオーバーが乱れたり紫外線など外部からのダメージを受けやすくなったりするため、しみができやすくなってしまうでしょう。またコラーゲンの生成量が減ることで、肌の弾力が失われ、しわやたるみが目立ちやすくなります。

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更年期の症状は年齢とともに変化する

更年期に起こるさまざまな症状は、年齢とともに変化するケースが多いです。

個人差があるため一概にはいえませんが、プレ更年期には、月経異常や自律神経の乱れによるホットフラッシュなどが現れます。更年期に入ると、月経異常やホットフラッシュに加え、倦怠感や不安感が生じやすくなるなど、精神的な症状が現れるケースが多いです。

アフター更年期には、泌尿生殖器が萎縮することによる萎縮性膣炎や性交痛などの他、動脈硬化や高血圧など心血管系の疾患、骨粗しょう症などが起こりやすくなるとされています。

更年期障害の治療法

ここからは、更年期障害の主な治療方法をご紹介します。

ホルモン補充療法

更年期障害の治療法の一つは、ホルモン補充療法です。

分泌が減ったエストロゲンやプロゲステロンを補充することにより、ホットフラッシュや自律神経の乱れによる諸症状、泌尿生殖器の萎縮による諸症状を改善する治療方法です。また骨粗しょう症や脂質異常、不眠症状の予防・改善効果や、肌トラブルの改善にも効果が期待できるとされています。

ホルモン補充療法に用いられる薬は、内服薬や貼り薬、塗布剤があります。6つの投与方法があり、子宮の有無や症状などによって、複数の薬を組み合わせた治療を行うケースもあります。

漢方

更年期障害の治療法として、漢方が処方されることもあります。

ホルモン補充療法と併用して行われることもある他、ホルモン補充療法が受けられない方の治療法として選択されるケースも多いです。複数の更年期症状が現れている場合は、複数の生薬を混ぜ合わせて服用することで対処できます。ただし、即効性はなく、効果が出るまでは時間がかかるケースもある他、人によっては期待する効果が得られないこともあります。

漢方にはさまざまな種類があり、市販で購入できるものも多いですが、ご自身の判断で複数の漢方を組み合わせないように注意してください。また体質によっては副作用が出ることもあるので、医師の診察を受けた上で服用しましょう。

抗うつ剤や安定剤

更年期障害の治療では、抗うつ剤や安定剤が用いられることもあります。

抗うつ剤や安定剤は、更年期に現れる症状の中でも不安感やイライラ、不眠などの症状に対して用いられる治療です。不眠症状が強い方には、催眠鎮静薬が処方されることもあります。

病院にいくべき? 簡略更年期指数でチェック

更年期の症状がつらい場合は、病院へ行って治療するのがおすすめです。病院へ行くべきか迷ったときは、チェックシートで自己診断してみましょう。

簡略更年期指数をチェック

更年期で病院へ行くべきか迷ったら、「簡略更年期指数」というチェックシートを活用しましょう。

「簡略更年期指数」とは、更年期症状を自己チェックするシートです。10項目に分かれていて、症状の体感値として「強・中・弱・無」の4段階で評価していきます。

合計得点が50点以上のときは、病院を受診する目安にしてください。ただし50点以下の場合でも、つらいと感じたら病院へ行くことをおすすめします。

出典:小山嵩夫更年期・閉経外来-更年期から老年期の婦人の健康管理について-,日本医師会雑誌109:259-264,1993

更年期の症状は婦人科へ

更年期の症状で受診する科は婦人科です。また、40歳を過ぎていて「なんだかよく分からない不調が続く」という場合も婦人科で診ていただくことができます。

婦人科ではその不調が更年期症状によるものか、もしくは他の病気によるものかを診ます。更年期による症状だと分かった場合は、それに合った治療を行うことで不調の改善が期待できます。

「内診台が嫌」「時間がない」など、婦人科を受診することに抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、更年期症状だと思っていたら、他の大きな病気が隠れている可能性もあるので、迷ったら病院へ行きましょう。

更年期以降の体調管理について

前述した通り、更年期以降はエストロゲンの分泌が停止するため、病気にかかりやすくなります。

これまで以上に栄養バランスを意識した食事を取り、ウォーキングやストレッチなど適度な運動習慣を身に付けましょう。何らかの異変を感じたら、できるだけ早く医師に相談し、必要に応じて治療を受けることをおすすめします。

また更年期以降は体の衰えだけでなく、精神的な変化も起こりやすく、後ろ向きになりがちな方も少なくありません。心身ともに健やかに過ごすためには、ボランティア活動や趣味に取り組んだり、友人との時間を過ごしたりして、人と関わる機会を意識的に作ることが大切です。

FRACORAでは、更年期のお悩みに役立つサプリメントをご用意しています。詳細はこちらからご確認ください。

40歳になったら更年期を意識して生活しよう

女性は40歳を過ぎると卵巣機能の低下が始まり、女性ホルモンの分泌が減少します。

更年期が始まるタイミングには個人差がありますが、40歳になったら更年期を意識してみてください。心の準備をしておくことで、更年期の症状がつらいとき、心や身体に不調が起こったときも「不調が出やすい時期だから自分の心と体を大切にしよう」とゆとりを持てるはず。

我慢しすぎず、必要な場合は、医療に頼る方法もあります。心と体と向き合って、少しでも快適な更年期をお過ごしくださいね。

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