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「最近不調が多い」「もしかして更年期?」など、加齢による体調不良に悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
眼科や耳鼻科、皮膚科など……いくつも通院しているうちに、気づけばお薬ばかりが増えてしまうことも。病院で治療してもなかなか治らない場合は、更年期による不調かもしれません。
そこで本記事では、更年期の症状が出た場合に病院へ行くべきか解説します。また見落としがちな症状や検査・診療方法についても併せて解説するので、参考にしてください。
更年期の症状は「なんとなく不快」「説明しにくい不調」などが多いもの。では、更年期の症状が出たときは病院へ行くべきなのでしょうか。
生活習慣を整えても更年期の症状が気になるときは、病院で検査を受けることをおすすめします。
更年期障害には治療法があります。更年期に適した治療をすることで、心身の不調を改善して快適な生活を取り戻すことが期待できます。
「更年期だから」といって、我慢しすぎるのは禁物。つらいときは我慢せず、医療に頼ることも大事な選択肢です。
更年期の症状だと思っていたものが、実は大きな病気のサインかもしれません。
更年期の症状は多くあるので、重大な病気と間違えてしまうことがあります。例えば甲状腺の病気などは、更年期の症状と間違えられやすい症状です。
そのため「何かよく分からない症状が続いている」と感じたら、一度は医療機関へ行って相談してみるのもいいでしょう。
更年期は閉経を挟んだ5年ずつの合計10年間です。平均的に50歳前後で閉経する方が多いため、更年期を迎えるのは45〜55歳頃とされています。
ただし閉経を迎えるタイミングは個人差が大きく、近年は30代後半から40代前半の方を指す「プレ更年期」という言葉もあります。プレ更年期辺りから、更年期症状に似た症状が現れる方も少なくありません。
病院を受診するタイミングが決められているわけではないので、何らかの症状が気になるようになったら、受診を検討すると良いでしょう。
更年期によく見られる症状には、以下のようなものがあります。
こちらのページで更年期に現れる症状について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
代表的な症状以外にも、女性ホルモンの変化による症状や精神に関係する症状、神経に関係する症状など、さまざまな見落としがちな症状があります。ここからは、見落としがちな症状を具体的に解説します。
女性ホルモンの変化による症状のうち、更年期に見落としやすい症状には、以下のようなものがあります。
更年期によって起こる症状はさまざまで、同じ方でも年齢によって症状が変化するケースも多いです。上記のように一見更年期とは関係ないと思えるような症状もありますが、何らかの異常を感じた場合は、一度病院を受診してみると良いでしょう。
精神に関する症状で更年期に見落とされがちなのは、記憶力の低下です。
女性ホルモン「エストロゲン」は、脳にも関わっているホルモンです。ある研究では、エストロゲンが記憶力や学習機能を回復する効果があることが分かっています。
しかし更年期には、エストロゲンの分泌が急激に少なくなってしまうので、記憶力が低下し、物忘れが多くなってしまう方も少なくありません。東京医科歯科大学大学院の寺内公一教授が行った調査によると、更年期の女性345人のうち、「週に1回以上もの忘れがある」と回答した人は、全体の約70%にも上りました(※)。
また更年期には自律神経の乱れによって、前述したようなさまざまな症状が現れます。それらの症状によるストレスも、記憶力をさらに低下させる要因になっていると考えられるでしょう。
物忘れがひどくなると、ご自身を責めたりショックを受けたりするかもしれませんが、更年期が原因の可能性も高いです。不安な場合は、一度病院で相談してみると良いでしょう。
※参考:日本経済新聞.「更年期で記憶力低下 女性ホルモンの「ゆらぎ」が原因」.(最終更新日2017-05-21)
神経に関係する症状で更年期に見落とされがちなのは、耳鳴りです。
女性ホルモンをコントロールしているのは、脳の視床下部です。脳の視床下部では同じく自律神経のコントロールも行われているため、ホルモンバランスの乱れの影響を受けて、自律神経のバランスも崩れてしまうことがあります。
自律神経は交感神経と副交感神経からなる末梢神経の一種です。交感神経と副交感神経がバランスを取ることで、身体のさまざまな機能を正常に働かせています。自律神経のバランスが崩れて交感神経が過剰に働くと血管が収縮しますが、耳周辺の血管が収縮して血行が悪化した場合、耳鳴りが起きてしまうことがあります。
耳鳴りに伴い、激しい頭痛やめまいなどが起こるケースも少なくありません。おかしいなと思ったら、すぐに病院を受診しましょう。
更年期の症状は200〜300種類あるといわれており、どれが更年期の症状か見分けるのは難しいもの。
女性ホルモンの低下で不調が出ている場合、「目が乾いたから眼科」「肌の調子が悪いから皮膚科」など、病院を回っていても投薬や治療コストが増えるばかりです。しかも根本的な原因を解決できないので、なかなか不調が改善されません。
40歳以上の女性で「症状別の診療科へ行ったけれども異常なし」という場合や「なんだかよく分からない不調」が続くときは、婦人科で更年期の検査を受けてみるのがおすすめです。根本的な原因が更年期なら、更年期の治療をすることでさまざまな不調がラクになることがあります。
更年期の相談はどの診療科に行くべきなのでしょうか。お悩み別に受診すべき診療科をご紹介します。
更年期の症状で「何科に行けばいいの?」「なんて説明すればいいの?」と迷ったときは、婦人科へ行きましょう。
40歳以上の女性なら、誰しも女性ホルモン低下の影響を受けている可能性があります。婦人科なら更年期患者の状況を理解しているので、説明しにくい症状でも分かってもらえるはず。
かかりつけの婦人科がない人は、できるだけ早めに信頼できる医師やクリニックを見つけておきましょう。あらかじめ相談先を決めておけば、更年期の症状が出たときに安心して受診できます。
更年期の症状の中でも、不安感やイライラ、うつ症状、不眠症状、記憶力の低下などの症状がつらく感じるなら、心療内科や精神科を受診しましょう。
精神的なつらさは、身体的な症状に比べると我慢してしまう方が少なくありません。しかし、更年期には日常生活に支障が出るほど、精神的につらい思いをしてしまう方もいます。更年期に現れる精神的な症状への治療法もあるので、心療内科・精神科を受診してみてください。
「さまざまな症状が出ている」「更年期が原因なのか他の原因なのか分からない」という方は、かかりつけの内科で相談するのも一つの方法です。
気心の知れたかかりつけ医であれば、デリケートな症状でも相談しやすいはずです。診察を受ける際は、更年期が原因の可能性を疑っている旨を伝えると、医師も考慮した上で診察を行ってくれます。症状に関する診察に加えて、40代から50代に発症する方が多い病気の検査も受けておくと、万が一の際も早期治療が受けられます。
「婦人科が苦手」「内診台に乗りたくない」など、婦人科へ行くことに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。更年期の検査や診察方法をチェックし、あらかじめ心の準備をしておきましょう。
医療機関によって異なりますが、婦人科の一般的な更年期検査は以下の通りです。
基本的には問診を行い、他の婦人科疾患がないかを確認するために内診や子宮がん検診、超音波検査を行います。また、採血による女性ホルモン値の測定や、更年期以降に気を付けなくてはならない骨粗鬆症や高脂血症などについての検査をすることもあります。
詳しくは受診する医療機関のホームページを確認、または直接問い合わせをしてみましょう。
更年期症状を少しでも改善するために、ご自身で取り組める更年期対策を3つご紹介します。
適度な運動は更年期対策におすすめの方法です。
運動をすると、自律神経が整いやすくなる他、血行が改善する効果も期待できるため、更年期のさまざまな症状の軽減につながりやすいです。ストレス発散にもなるので、ウォーキングやジョギング、ストレッチ、ヨガなどの、無理なくできる運動を取り入れてみましょう。
過度の運動や激しい運動は逆効果になってしまう可能性があるため、あくまで適度な運動にとどめることがポイントです。
誰かに話を聞いてもらうことも、更年期対策になります。
不安感やイライラを感じている場合、ご家族や友人など身近な人に話すことで、お悩みが解消されやすくなります。また身体的な症状に関しても、同じく更年期を迎えた方や更年期を終えた方に相談すると、気持ちが楽になったり、症状を軽減する良いアドバイスがもらえたりする可能性があるでしょう。
ご自身でできる更年期対策の一つとして、サプリメントの摂取による更年期ケアもおすすめです。
更年期の諸症状の改善に期待できる成分の一つに「プラセンタ」があります。プラセンタサプリメントは、人や動物の胎盤から抽出した成分を配合したサプリメントです。プラセンタサプリメントには、エストロゲンに代わってホルモンバランスを整える働きをしてくれるアミノ酸や成長因子が豊富に含まれています。
プラセンタは更年期の治療としても用いられている成分で、更年期のさまざまな症状を軽減する効果が期待できます。サプリメントなら病院を受診することなく服用できるので、忙しい方の更年期対策にもおすすめです。
FRACORAの「和漢プラセンタ イソフラボン」は、プラセンタやイソフラボンを配合したサプリメントです。更年期ケアの他、疲労回復効果やしみ・くすみの改善効果も期待できるので、ぜひホームページをチェックしてみてください。
更年期の症状は「ホットフラッシュ」「気分の落ち込み」などがよく知られていますが、実はその他にも200〜300種類もの症状があるといわれています。
目の乾燥や物忘れ、肌の衰えなど……40歳を過ぎて身体の変化を感じ始めたら、それは更年期による症状かもしれません。
婦人科に相談すると、まずは採血をして女性ホルモンの変化を確認し、必要であれば更年期に適した治療が受けられます。「もしかしたら更年期かも?」と思ったら我慢せず、まずは婦人科の医師に相談してみてくださいね。