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突然のほてりや発汗など、更年期のホットフラッシュは非常につらい症状です。周りの人にも気付かれやすいので、精神的なストレスがかかっている方もいるでしょう。
そこで今回は、ホットフラッシュの主な症状や原因、予防方法、対策などをご紹介します。更年期であっても快適に過ごしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ホットフラッシュとは、気温や室温に関係なく急激なほてりを感じたり、発汗が起こったりする症状を指します。
更年期の方の3分の2程度はホットフラッシュを経験するといわれており、代表的な更年期症状の一つです。重篤な症状が出て、日常生活に支障が出てしまう方もいます。
ホットフラッシュが起こる主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。卵巣を摘出した方やホルモン治療を受けている方、放射線治療を受けている方、出産直後の方などもホルモンバランスが乱れやすいので、更年期でなくてもホットフラッシュが起こってしまうことがあります。
ホットフラッシュの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
いずれの場合も、症状は2〜4分程度で落ち着きます。ただし、一日のうちに何度もホットフラッシュが起きる方も少なくありません。またほてりや発汗は、顔、頭、胸部の順で症状が出るケースが多いですが、中には顔や首だけに症状が出る方もいます。
ホットフラッシュが起こる原因を詳しく見ていきましょう。
前述した通り、ホットフラッシュが起こる主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。
ホルモンバランスは脳の視床下部が司っています。人間の体は自律神経の働きによって一定に保つことができますが、この自律神経を司っているのも同じく視床下部です。
更年期に入ると女性ホルモン「エストロゲン」を分泌する卵巣の働きが弱まります。視床下部はこれまでと同じようにエストロゲンの分泌を促そうと指示を出しますが、卵巣はエストロゲンの分泌ができません。その結果ホルモンバランスが崩れてしまい、同じく視床下部でコントロールされている自律神経にも影響が出て、体温調節がうまく行えなくなるので、ほてりや発汗といった症状が出てしまいます。
更年期で起こるホットフラッシュは、ホルモンバランスの乱れが原因となっていることがほとんどです。
睡眠不足もホットフラッシュを引き起こす原因の一つです。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。前者は日中に活動している間や興奮状態にあるときに優位になる自律神経で、後者は夜間やリラックスしているときに優位になる自律神経です。両者のバランスが取れていることで人間の体は正常に機能しますが、睡眠不足になると交感神経が活発な時間が長くなり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
前述した通り、自律神経は体温調節に関係しているため、睡眠不足によってホットフラッシュが引き起こされてしまうのです。
ストレスもホットフラッシュが起こる原因です。
過度にストレスを感じると、脳の視床下部では抗ストレス作用を持つ「コルチゾール」や「アドレナリン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。これらのホルモンには女性ホルモンの働きを妨げる作用があるので、ストレスを感じていると、ホルモンバランスが崩れやすいです。またストレスを感じていると、交感神経の働きが優位になるため、自律神経にも乱れが生じ、ホットフラッシュが起きやすくなります。
更年期に差し掛かる年代は、仕事で責任のある立場に立たされやすい上、プライベートでも育児や介護などの負担がかかりやすい時期です。更年期によるホルモンバランスの乱れに加え、ストレスによるホルモンバランスや自律神経の乱れも生じ、症状が悪化してしまうケースもあります。
ホットフラッシュは、運動不足が原因で引き起こされることもあります。
運動はストレス解消になる他、ホルモン分泌を促したり、睡眠の質を高めたりする効果があります。そのため、運動不足になると、うまくストレスが発散できなくなる他、ホルモン分泌量が減少したり睡眠の質が低下したりする可能性が高いです。
一概にはいえませんが、運動不足の方はホットフラッシュを引き起こす複数の要因を抱えやすいので、ほてりや発汗などの症状が出てしまう可能性が高くなってしまうでしょう。
つらいホットフラッシュの症状は、適切な治療を受けることで軽減する可能性があります。ここからは、ホットフラッシュの3つの治療法を見ていきましょう。
ホットフラッシュの治療法の一つは、ホルモン補充療法です。
内服薬や貼り薬、塗り薬になどでホルモンを補うことでバランスが整い、ホットフラッシュ症状の軽減が期待できます。また骨粗しょう症や動脈硬化の予防、萎縮性腟炎や性交痛など泌尿生殖器の萎縮による疾患の予防効果、不眠症の改善効果なども期待できる治療法です。
子宮を摘出している方はエストロゲンだけを投与しますが、子宮がある方には子宮内膜増殖症のリスクを抑えるために、同時に女性ホルモンの「プロゲステロン」も投与します。処方する薬の種類や投与方法は、一人ひとりの状態や症状に合わせて医師が判断します。
ホットフラッシュの症状軽減には効果的な治療法ですが、不正出血や胸の張りといった副作用が出る恐れがある他、乳がんを患っている方はがんが進行する恐れもあるので注意が必要です。またわずかながら静脈⾎栓塞栓症のリスクもあるため、場合によってはホルモン補充療法を受けられないこともあります。
漢方薬もホットフラッシュやその他の更年期障害の治療に用いられます。
ホルモン補充療法が受けられない方の場合、漢方薬による治療を行うのが一般的です。またホルモン補充療法と併せて、漢方による治療が行われることもあります。
漢方にはさまざまなものがありますが、ホットフラッシュの症状軽減に用いられる代表的な漢方は「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「女神散(にょしんさん)」などです。
複数の症状を改善したい場合は、複数の漢方を組み合わせて処方されます。ただしご自身の判断で漢方を組み合わせると、効果が薄れてしまったり副作用が起こったりする可能性もあるので、必ず医師の判断を仰ぎましょう。
ホットフラッシュの治療として、プラセンタ療法が行われることもあります。
プラセンタ療法は、ヒトや哺乳動物の胎盤から抽出した成分を配合した製剤を投与する治療法です。胎盤に含まれる豊富な成長因子の中には、ホルモンバランスや自律神経を整える作用があるので、ホットフラッシュの他、さまざまな更年期症状の改善に効果が期待できます。
プラセンタ療法では、注射や内服による治療が行われますが、注射を受けた場合は注意が必要です。注射に用いられるプラセンタ製剤は、ヒトの胎盤から抽出された成分を配合した血液製剤を使用します。ヒトの胎盤から摂取した血液製剤には、vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)のリスクがないとはいい切れないため、プラセンタ注射を受けた後は献血を行うことができません。
これまで更年期障害の治療を含め、プラセンタ注射でvCJDが報告されたケースはありませんが、プラセンタ注射を検討している方は、リスクを理解しておくことが大切です。
より手軽にプラセンタによるホットフラッシュの症状軽減を目指したいなら、プラセンタ配合のサプリメントやドリンクを取り入れるのも一つの方法です。サプリメントやドリンクなら、通院の必要なく、手軽にプラセンタを取り入れられます。
FRACORAでは、プラセンタを配合したサプリメントやドリンク、化粧品などを扱っています。美容効果や健康効果が期待できる成分も配合されているので、ぜひこちらからチェックしてみてください。
ホットフラッシュは、多くの女性が経験する更年期の代表的な症状です。以下の方法で事前に対策しておけば、急なほてりや発汗が起きても楽に過ごせます。
ホットフラッシュ対策におすすめのアイテムが「手持ち扇風機」です。
顔に風を当てることで、急なほてりや発汗を和らげられます。机の上に立てられる小型扇風機や、モバイルバッテリー付きの手持ち扇風機も汎用性が高く便利です。
手持ち扇風機が手元にないときは、扇子や小さめのうちわを携帯しておきましょう。
顔や上半身がカーっと熱くなってしまったときは、冷たいタオルで首周りを冷やしましょう。ずっと冷やしているのではなく、ほてりが起こったときに冷やせばOKです。
最近は持ち運びに便利な「クールタオル」や、保冷剤を入れるポケット付きの「アイスネックピロー」などが販売されています。持ち運びに便利なので、外出時のホットフラッシュ対策におすすめのアイテムです。
更年期のほてりが気になるときは、体温調節しやすいように衣服を工夫しましょう。
カーディガンを1枚持ち歩いていれば、脱ぎ着しやすいので簡単に体温調節できます。発汗しやすい人は、清潔感を保つためにも替えの下着を1枚持ち歩いておくと安心です。
発汗が多い人は、ガーゼハンカチを何枚か持っておくと便利です。
ガーゼハンカチは肌触りが良く、更年期のデリケートな肌にぴったりの素材です。吸水性もいいので、ホットフラッシュによる汗を快適に拭えます。
発汗を感じたら、すかさずガーゼハンカチを当てて汗を拭き取りましょう。
私たちの身体には「汗を抑えるつぼ」があります。大切な会議や予定など、どうしてもほてりや発汗を押さえたいときにつぼ押しケアを知っていれば安心です。
「屋翳(おくえい)」は、汗をスーッと引きやすくしてくれるつぼです。
鎖骨とバストトップのちょうど中央当たりに、左右にあります。発汗が気になるときは「屋翳(おくえい)」のつぼを2分くらいかけて押し上げましょう。
「大包(だいほう)」も、顔の汗を止める効果が期待できるつぼです。
「大包(だいほう)」は自分のみぞおちのラインと、脇から真っすぐ下がってきたラインが交わるところにあります。舞妓さんや舞台役者さんなどが顔に汗をかかないのは、この部分を帯で圧迫しているからだといわれています。
「屋翳(おくえい)」「大包(だいほう)」の、おすすめのつぼ押し方法を紹介します。
腕組みをして、考えたフリをしながらつぼ押しできるので便利です。打ち合わせや会議など、さまざまなシーンで自然につぼ押しがきます。
ここからは、ホットフラッシュを予防する4つの方法を紹介します。
ホットフラッシュの予防には有酸素運動を行うのがおすすめです。
有酸素運動をすると副交感神経が優位になるため、自律神経のバランスを整えやすくなります。ウォーキングやジョギング、水泳などから、無理なく行えるものを選ぶと良いでしょう。
有酸素運動を行うと、ストレスを軽減する働きを持つ「セロトニン」と呼ばれるホルモンが分泌されるので、ストレスの軽減にもつながります。適度な運動は睡眠の質を向上させる効果もあるため、睡眠不足の改善にも効果的です。
カフェインの摂取を控えることも、ホットフラッシュの予防につながります。
カフェインには交感神経を優位にする作用があるため、自律神経の乱れにつながりやすいです。以下の飲み物や食べものはカフェインを多く含んでいるので、ホットフラッシュ予防のために避けましょう。
ホットフラッシュ予防には、大豆製品の摂取も効果的です。
大豆にはエストロゲンに似た働きをする「イソフラボン」という成分が豊富に含まれています。ホットフラッシュ以外の更年期症状の予防や改善にも効果が期待できるので、以下の食品を意識して食べましょう。
ホットフラッシュの予防に効果が期待できる栄養素を配合したサプリメントを摂取するのもおすすめです。
前述したプラセンタの他、イソフラボンを配合したサプリメントなどを継続的に飲むことで、ホットフラッシュの症状が改善する可能性があります。また大豆イソフラボンを取ることで体内で作られる「エクオール」を配合したサプリメントも、ホットフラッシュ予防に効果が期待できるでしょう。
FRACORAではプラセンタ配合の「プラセンタつぶ エクソソーム」や、プラセンタ&イソフラボンを配合した「和漢プラセンタ イソフラボン」を扱っています。ホットフラッシュにお悩みの方、更年期に差し掛かっている方は、ぜひホームページをチェックしてみてください。
更年期のホットフラッシュが起こったときは、手持ち扇風機やクールタオルなどの便利なアイテムも活用しながら、急なほてりや発汗を上手にケアしましょう。
また、汗を止めるつぼなども覚えておくと安心です。対処方法を知っていれば過剰に恐れる必要はないので、ホットフラッシュを適切にケアして快適な更年期をお過ごしくださいね。