ダイエットを頑張っているけど、効果が出にくいとお困りの方へ
年齢とともにお腹、太もも、ヒップなどによく見られる肌表面の「凸凹」。これは、血行やめぐりの滞りなどが原因でできる脂肪と老廃物の固まりです。
食事・運動のダイエットだけでなく、美容面でも凸凹ケアをしましょう!肌触りの凸凹が和らぎ、後ろ姿も好印象に!
サプリメントとボディジェルを使ったマッサージの2つのアプローチで、ハリのある若々しい身体を目指しませんか?
・同志社大学生命医科学部 アンチエイジングリサーチセンター教授 ・同大学大学院生命医科学研究科教授 ・糖化ストレス研究会 理事長 ・公益財団法人医食同源生薬研究財団 理事長 ・日本抗加齢医学会 理事 ・同大学大学院生命医科学研究科教授 ・日本人間ドック学会評議員
米井 嘉一
慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。
目次
「身体の酸化やサビは聞いたことあるけど、糖化ってなんだろう?」「身体がコゲる、黄ばむってどういうこと?」など……糖化が身体に悪いことはなんとなく分かるけれど、具体的なメカニズムを知るのは難しいですよね。
実は抗加齢(アンチエイジング)の研究が進む上で、老化を促進する危険因子として「糖化ストレス」が重要視されています。近年では糖尿病や糖尿病予備群が増加しており、美容だけでなく健康面でも「糖化ストレス」によるリスクが懸念されているのです。
そこで今回は、同志社大学生命医科学部の米井嘉一教授に「糖化ストレス」について教えていただきました。この記事を読むことで老化のメカニズムや若々しさを保つ方法が分かるので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
老化の原因になる「糖化ストレス」ってどういうこと?
糖化が起こりやすい「食後高血糖」ってどんな状態?
全ての糖化が悪者なわけではないって本当?
「糖化ストレス」とは、糖化反応によって身体に影響するストレスのことです。
そもそも糖化反応とは、1912年にフランスのメイラード博士が発見した食べ物の反応です。
例えば、ホットケーキを作るときは小麦粉や砂糖(糖質)と卵(タンパク質)をかき混ぜて加熱します。すると生地はこんがりきつね色に焼けて、美味しそうな香りがしてくるのをイメージできますよね。
糖質とタンパク質が熱に反応してこんがり焼き色がつき、香ばしい香りがしてくる反応を「糖化(メイラード反応)」といいます。「糖化」が起こると生成されるのが「AGEs(終末糖化産物)」です。
糖化が起こって「AGEs(終末糖化産物)」ができると、食べ物の場合は香ばしくておいしくなります。
問題なのは、身体の中でも食べ物の「糖化」と同じ現象が起こってしまうこと。
私たちが糖質を食べすぎると、エネルギーとして使われなかった糖が身体を構成するタンパク質と結びつきます。そこに体温の熱が加わると、ホットケーキと同じように「糖化」して「AGEs(終末糖化産物)」が作られてしまうのです。
例えばコラーゲンが糖化すると肉がコゲたように硬くなって、肌の弾力性が失われます。肌の黄ばみ(くすみ)にもつながることから、糖化は「コゲる」「黄ばむ」と表現されることもあります。
糖化って何?老化につながる理由や糖化をケアする食事法について解説
老化はさまざまな原因によって起こりますが、中でも「酸化」と「糖化」の影響が大きいようです。
人類は紫外線や有害物質による「酸化」と長く戦ってきた歴史があり、私たちの身体の中には酸化に対抗する仕組みが出来上がっています。抗酸化作用のある食べ物や、サプリメントを摂ることで酸化を防ぐことも可能です。
一方「糖化」は新しく出てきたリスクで、身体の中に「糖化」に対抗するメカニズムができていません。
なぜなら約70年前の戦後の混乱期まで、「糖化」はほとんど問題にならなかったからです。その頃と今の日本人の何が違うかというと、日常の身体活動量(運動量)だと考えられます。
例えば当時は、あえてトレーニングをしなくても家事や労働で常に身体を動かしていました。今よりも車や電車などの移動手段は少なく、ちょっとした移動なら歩いていたのです。
現代は家電や移動手段が便利になって生活は楽になりましたが、身体活動量は10〜20%も低下したといわれています。しかし、食べている量は当時と同じか5%増といわれており、エネルギー過多の状態です。
さらに、現代は昔に比べて世知辛い世の中になり、さらに「食後高血糖」を起こしやすい環境にあります。「忙しくて朝食抜き、早食い」「残業で睡眠不足」「職場や人間関係のストレス」など……さまざまな原因による「食後高血糖」の影響で、糖化ストレスによる老化が加速しやすい状態にあるのです。
身体の中で「AGEs(終末糖化産物)」ができたあとは、タンパク質のターンオーバーによって代謝されます。
しかし、ターンオーバーのスピードはすべてが一定なわけではありません。ターンオーバーが遅い場所ではAGEsが身体の外に排出されないので、どんどん蓄積されてしまうこともあります。
例えば眼球の透明なレンズ(クリスタリンタンパク)は非常に代謝が悪いので、糖化によって産生された「AGEs(終末糖化産物)」が排出されません。すると透明だったレンズは白濁化し、糖化が進むと黄色っぽくなって、白内障になってしまうのです。
また、真皮にあるコラーゲンのターンオーバーも遅いといわれています。コラーゲンが糖化するとだんだん硬くなってハリが失われ、老けた印象が加速してしまうでしょう。
逆に、表皮に近いところにあるケラチンというタンパクは6週間でターンオーバーするので、「AGEs(終末糖化産物)」ができても垢として落ちます。
つまり「AGEs(終末糖化産物)」は代謝されるところもあれば、代謝されずに蓄積してしまうところもあるということです。
私たちの体内でAGEsが最もできやすいといわれているのが「食後高血糖(血糖スパイク)」の状態です。
「食後高血糖(血糖スパイク)」があると血管の内皮細胞が傷ついて、そこを中心に血栓ができやすくなります。その影響で感染症に罹患しやすくなったり、重症化が起こりやすくなったりするようです。
糖尿病があって糖化指数が強いと、血管内皮細胞の障害が起こりやすいといわれています。さらに高血圧も血管内皮細胞障害に影響するので、生活習慣病が気になる方は糖化による健康リスクに注意が必要です。
「食後高血糖(血糖スパイク)」とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のこと。
このとき、通常は環状構造をしている「グルコース(ブドウ糖)」が開いて、全体の0.002%が「アルデヒド」になります。「アルデヒド」とは、一般的にアルコール類が酸化することで生成される有機化合物です。
「食後高血糖」が起こっているときは体内にアルデヒドが多くなっていて、連鎖反応のように多種類のアルデヒドが出てきます。すると、私たちの身体を構成しているタンパク質が周りのアルデヒドと手当たりしだい反応するのです。
タンパク質とアルデヒドの反応が進んでいくとAGEsになり、糖化が加速していきます。
さまざまな種類の糖がありますが、中でも「フルクトース(果糖)」は糖化が起こりやすいので要注意。
食後高血糖のとき、グルコースは環状構造が0.002%ほど開きます。それに対して「フルクトース(果糖)」の開環率は0.6%(300倍)で、より多くのアルデヒドが生成されてしまうのです。
するとアルデヒドがタンパク質と反応を起こし、より多くのAGEsが生成されて糖化が進みます。グルコースとの糖化反応を比較すると、「フルクトース(果糖)」の方が約10〜20倍のスピードでAGEsができることも分かっています。
つまり「フルクトース(果糖)」の方が糖化ストレスが強いということです。
糖化というと、老化して身体に悪い影響をもたらすようなイメージを持ちますよね。
しかし実際には、抗酸化作用や防腐作用、血圧を上げにくくする作用がある「AGEs(終末糖化産物)」もあります。もちろん身体に悪い「AGEs」も多くありますが、全てが悪者ではないことを覚えておきましょう。
「メラノイジン」というAGEsは、身体に良いAGEsとして知られています。
「メラノイジン」には抗酸化作用があるので、肌や身体の酸化を防いで若々しく保つ効果が期待できるでしょう。また、血圧を上げにくくする作用や防腐作用などもあります。
さらに、AGEsは「愛情ホルモン」を発揮するために必要ということが分かってきました。
AGEsと特異的に融合する「RAGE」という受容体があります。「RAGE」は血管内皮細胞の脳血液関門(BBB)にあるのですが、愛情ホルモン「オキシトシン」を脳に作用させる働きを持っているのです。
つまりAGEsを食事から摂ることで、愛情ホルモンを脳に発揮させると考えられます。糖化したおいしいものを食べると愛情深い人間になるという、なんとも幸せな研究成果です。
AGEsは、人類の進化にも良い影響をもたらしていると考えられます。
人類は約50万年前から火を使うようになりましたが、火を使うと食品中のAGEsが増えます。AGEsが増えた食品を食べるようになった頃から、人類はチンパンジーやゴリラなど他の霊長類に圧倒的な差をつけて脳が発達しているのです。
つまり、AGEsが脳の発育を促したことも考えられるでしょう。こんがりと焼けたおいしいものを食べると愛情深くなり、脳も発育するなんて素敵ですよね。
「コゲを食べると癌になる」と聞いたことがありませんか?
実は、超高温で調理してコゲると「アクリルアミド」という発がん性物質ができます。「アクリルアミド」は毒なので、高温で調理しすぎないように注意してください。
また、食べ物から摂るAGEsよりも、糖質と自分の中のタンパク質がAGEsになってしまうというところが問題です。糖質を摂りすぎると、私たちの体を構成しているタンパク質が体温で熱されることでAGEsになってしまいます。
若々しい身体を保つためには、ご自身の身体の中で「どこが老化しているのか」知ることがとても大切です。身体の弱点をケアすることで身体のバランスが整いやすくなり、若々しい見た目の維持や健康長寿を実現しやすくなります。
100歳を超えても認知症や大きな病気がない「百寿者」の方々を調査すると、心と身体がバランスよく老化していることが分かりました。
私たちの身体は「骨」「血液」「神経」「ホルモン」などさまざまな部品で構成されています。これらの1つでも老化が進んでバランスが崩れると、その他の元気だったところまで悪くなってしまうことがあるのです。
例えば「骨」が老化して骨粗鬆症になり、ちょっとしたきっかけで転ぶと寝たきりになります。寝たきりになると筋肉が衰えて歩けなくなったり、認知症になったり……さまざまな不調が連鎖して起こることも少なくありません。
そのため、早い段階で検査を受けて「老化の弱点」がどこなのか見つけることが大切です。少しでも調子が悪くなったらすぐにケアをして、老化が加速するのを防ぎましょう。
実年齢は誰もが平等に加齢していくので、加齢に伴う正常な老化なら問題ありません。
問題になるのは、病的な老化があって「機能的な年齢」が進んでしまうこと。つまり「機能的な老化」の予防が、アンチエイジングにおいて重要なポイントといえます。
▼機能的な老化を促進する5つの危険因子
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機会があれば、一度「アンチエイジングドック」などで機能的な年齢を検査してみましょう。さらに老化を促進する危険因子を測り、ご自身の老化の弱点を見つけてみてください。
こんがり焼けて香ばしい食べ物はとても魅力的ですが、老化物質「AGEs(終末糖化産物)」が産生されています。
さらに甘いものを食べすぎると、身体のタンパク質と体温によって「AGEs(終末糖化産物)」ができてしまうので注意が必要です。見た目の老化だけではなく、白内障や血管内皮細胞の障害などさまざまな不調に繋がってしまいます。
ただし、すべての糖化が悪者というわけではないので、そこまで神経質に糖質を避ける必要はありません。健康に良い影響があったり、愛情ホルモンを発揮させたりする「AGEs(終末糖化産物)」もあるので、たまにはこんがり焼けた香ばしい料理も楽しんでも大丈夫です。
若々しく健康的な身体を維持するためには、全身バランスよく老化していくことが大切です。できれば「アンチエイジングドック」や専門的な健診などで老化の弱点を見つけ出し、早めのケアで機能的な老化を防ぎましょう!
糖化ストレスとは糖化の影響で起こる全身性のストレス
食後2時間が過ぎても高血糖が続くとAGEsが多く作られやすくなる
AGEsの中でも抗酸化作用があったり、愛情ホルモンを発揮させたりする種類がある
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ダイエットを頑張っているけど、効果が出にくいとお困りの方へ
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