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プラセンタとは、一般的に「動物の胎盤から抽出される成分」のことを指します。美容だけでなく医療にも取り入れられている成分です。使用することで、以下のような効果が期待できます。
プラセンタ療法の効果 |
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美容の効果 |
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またプラセンタの取り入れ方には、基礎化粧品・サプリメント・注射などがありますが、それぞれ使用する目的が異なるため、「どのような効果を得たいのか」によって選ぶ必要があります。
美容液やサプリメントにおいても多くの製品が販売されていますが、選び方を間違えると、継続してもなかなか効果が出ない可能性があるので、選び方も知っておくことが大切です。
本記事では、プラセンタの効果や取り入れ方について詳しく解説しています。お読みいただくことで、目的に合わせて正しくプラセンタを取り入れられるでしょう。
プラセンタの副作用・リスクや注意点についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
プラセンタとは、胎盤のことを指しますが、一般的に「動物の胎盤から抽出される成分」のこともプラセンタと呼びます。
胎盤には、タンパク質、脂質、糖質の3大栄養素の他、ロイシン、リジン、イソロイシンなどの必須アミノ酸、グリシン、アラニン、アルギニンなど10数種類のアミノ酸が含まれています。また、ビタミン類、カルシウムや鉄などのミネラルの他、100種類以上の酵素も存在しています。
この栄養素が、美容や健康にさまざまな効果をもたらすのです。
プラセンタの歴史は、紀元前400年頃まで遡ります。古代エジプトでは、世界三大美女とも称される女王・クレオパトラが、若さを保つためにプラセンタを愛用していたとも伝えられています。また中国で1590〜1596年に出版された「本草綱目」では、「紫河車(しかしゃ)」という生薬として、プラセンタが紹介されました。
プラセンタの効果に着目し、本格的な研究が始まったのは1930年代です。ロシアで研究が行われた後、戦後には日本にもプラセンタが伝わってきました。1950年代には、厚生労働省が更年期障害や肝機能障害の治療を目的とした医薬品として認可しています。
日本でプラセンタの美容効果に注目が集まるようになったのは、1990年代です。これ以降、プラセンタを用いた美容医療の他、プラセンタ配合のスキンケアコスメ、サプリメントなどが開発されるようになりました。
豚や馬、羊やヒトなど哺乳類の胎盤から抽出される「動物性プラセンタ」以外にも、卵巣膜から作られる「海洋性プラセンタ」、植物の胎座から作られる「植物性プラセンタ」があります。
▼プラセンタの種類と特徴
種類 | 代表的な原料 | 特徴 |
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動物性プラセンタ | 豚 |
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馬 |
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羊 |
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ヒト |
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海洋性プラセンタ | 魚の卵を包む卵巣膜 |
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植物性プラセンタ | 植物の胎座 |
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プラセンタがどのようなものかについて解説してきましたが、効果についても詳しく見てみましょう。
プラセンタは医療でも用いられており、以下のような効果があります。
特に、更年期障害・肝機能障害・乳汁分泌不全などの疾患に対しては、厚生労働省にその効果が認められており、保険適用となる場合もあります。
また、
などの病気による肝機能低下を改善する効果も認められています。
プラセンタは、医療だけでなく美容でも多くの効果が期待できます。
これらの効果について、詳しく解説します。
プラセンタを使用すると、肌のハリや弾力を維持できます。
プラセンタが、皮膚のハリや弾力を担う成分である「コラーゲン」「エラスチン」や、潤いを保つ「ヒアルロン酸」などの生成を行う「線維芽細胞」の増殖を促すからです。
プラセンタが線維芽細胞の増殖を促進することで、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が十分に作られるようになり、肌のハリや弾力を維持できるようになるといわれています。
プラセンタを使用することで、保湿効果も期待できます。
プラセンタには遊離アミノ酸という成分が豊富に含まれています。この成分が肌に潤いを与えて、皮膚を柔らかくすると考えられています。
プラセンタには、しみ予防効果もあります。メラニンの元となる「DHICA」や、メラニンを作る「活性酸素(チロシナーゼ)」の働きを阻害します。
これにより、メラニンの生成が抑えられ、しみ予防効果が期待できるのです。医薬部外品の美白有効成分としても認められています。
プラセンタの効果には抗酸化作用もあります。
抗酸化作用とは、
などの働きのことです。
活性酸素はしみやしわの原因になります。そのため、抗酸化作用によってエイジングサインの予防が可能です。
プラセンタの取り入れ方には、以下の3パターンがあります。
美容目的であれば、プラセンタ成分含有の基礎化粧品が効果的です。
先ほどメリットでも解説したように、保湿効果が期待でき、肌に潤いを与えて明るい印象へと導く作用があります。
肌に直接塗布するため、即効性も期待できるでしょう。
サプリメントで経口摂取すると、美容だけでなく健康への効果も期待できます。
ハリがなくなったり、老けて見えたりすることで悩む方も多いでしょう。そのような場合は細胞の老化が進んでいる可能性があります。
そのような場合にプラセンタのサプリメントを摂取することで、見た目(肌)を若々しくするだけでなく・睡眠改善・疲労感の軽減などの効果が期待できます。
またプラセンタのサプリメントを摂取することで、更年期に起こる症状の軽減効果も期待できます。個人差はありますが、プラセンタサプリを15年摂取している弊社スタッフは、更年期の症状をほとんど感じなかったそうです。
ただし、症状が重い場合はサプリメントだけに頼らず、医療機関でしっかりと治療することが大切です。症状に悩まされる場合は、専門医での診断を行いましょう。
美容クリニックでのプラセンタ注射は、
などの効果によって、しみやしわなどの改善が期待できます。
ただし前述したように、厚生労働省に効果が認められているのは、「更年期障害」「肝機能障害」「乳汁分泌不全」のみです。そのため、美容目的で注射を行う場合は医師とよく相談し、効果や副作用を理解した上で施術を受けることをおすすめします。
美肌目的でプラセンタを取り入れる場合は、以下のような栄養素や成分を組み合わせましょう。
食品から摂取したり、サプリメントや化粧品で取り入れたりしてください。
では、これらの相乗効果について解説します。
プラセンタとビタミンCを組み合わせると、肌を明るくしたり、弾力性を向上させたりする効果が期待できます。
ビタミンCはコラーゲンの合成を促進するため、プラセンタと協力して肌の健康もサポートしてくれます。
ビタミンEは抗酸化作用があるため、プラセンタの成分が安定して効果的に働くことをサポートしてくれます。
またビタミンE自体も、肌の保護や修復をしてくれる効果が期待できます。
ビタミンAは肌の再生を促進してくれます。またプラセンタと一緒に摂取することで、肌の明るさや弾力性をアップさせる効果が期待できます。
亜鉛は、免疫機能を維持したり肌の再生を促進したりします。
プラセンタと一緒に摂取することで、肌の健康を維持するためのサポート効果が期待できます。
コエンザイムQ10は抗酸化作用があり、エネルギー産生にも関わっています。
そのため、プラセンタと組み合わせることで、肌の抗酸化力を高めてエネルギー供給をサポートする効果が期待できます。
プロテオグリカンは、ヒアルロン酸を上回る保水力を持つといわれています。
そのため、化粧品などでプラセンタと同時に使用することで、肌のハリや保湿力のアップが期待できます。
プラセンタは長い歴史があり、安全基準も設けられているため、副作用の心配はほとんどありません。しかし、ごくまれに以下のような症状が出現する可能性があります。
では、これらの副作用やリスクについて見ていきましょう。
プラセンタのサプリメントなどには、多くの場合「豚プラセンタ」が使用されています。そのため、豚アレルギーや動物性タンパク質アレルギーを持つ人が摂取した場合、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
製品によって異なりますが、他にもさまざまな成分が含まれるため、アレルギーが心配な場合は成分表示を確認したり、医師に相談したりしてから使用するようにしましょう。
プラセンタ注射の施術を受けた際に、まれに注射をした箇所に腫れや発疹が出る可能性があります。
そのような症状が出たら、すぐ医師に相談しましょう。
プラセンタは美容や健康効果が得られる成分ですが、取り入れる前に以下のような注意点を理解しておきましょう。
では、これらの注意点について解説していきます。
プラセンタ注射の施術後は、「変異性クロイツフェルトヤコブ病」の感染予防対策として、厚生労働省の指導により一定期間献血や輸血ができません。
感染予防対策がなされることに不安を覚える方もいらっしゃるかと思いますが、実際にはプラセンタを使用した人が発症した例はないため、安心してください。
また献血や輸血ができなくなるのは注射などの医療行為を受けた場合のみであるため、化粧品やサプリメントには当てはまりません。
サプリメントでプラセンタを摂取する場合は、プラセンタエキスの含有量が重要です。一日当たり、プラセンタエキス1,000mg以上を摂取できるものを選びましょう。
また製品は安全性が高い工場で生産されているか、メーカーは信頼性があるところかも重要です。国内の認定工場で生産されているか、認可・許可を得ているかも確認しましょう。
妊婦や授乳中・持病など健康上に問題がある場合・服薬中の薬がある場合は、プラセンタを使用する前に、使用しても問題ないかを医師に確認しましょう。
プラセンタを取り入れるのであれば、効果をすぐに実感できなくても、最低3カ月は継続して使用しましょう。早ければ数日で効果を実感する人もいますが、基本的にはゆっくりと作用するものなので、長いスパンで様子を見る必要があるからです。
また、プラセンタ注射も効果を実感するまでには、2〜3回の治療が必要です。1回行うと2〜3日効果が持続するといわれており、1~2カ月目は週に2回程度、それ以降は週に1回程度の施術を受けるようにしましょう。
胎盤から抽出された成分のため、プラセンタの安全性に不安を感じる方もいるかもしれません。
プラセンタ注射の場合、ヒト由来のプラセンタを用います。厳格な審査基準を設け、ウイルス感染がなく、健康状態が良好と認められた日本国内の女性から提供を受けた胎盤を使用するので、安全性は高いと考えられています。これまでプラセンタが使用されてきた中で、重篤な副作用が認められたケースはありません。ただし注入時に痛みや赤み、発疹などが現れることがまれにあります。
サプリメントや化粧品などには、ヒト以外の哺乳動物由来のプラセンタが用いられています。こちらも感染症への対策が取られているため、安全性は比較的高いといえますが、アレルギー反応や頭痛、消化不良といった副作用が現れることはあるので、注意が必要です。
プラセンタは乳汁分泌不全の治療にも用いられており、多くのクリニックや製品で妊婦や授乳中も使用できるとされています。
しかし、副作用やアレルギーのリスクはゼロではないため、医師に相談することをおすすめします。
プラセンタをどのように取り入れるかは、目的によって異なります。
プラセンタは安全基準が設けられているため、安全性は高いといえます。ただし、ごくまれにアレルギー反応などを引き起こすことがあります。
本記事では、プラセンタの効果や取り入れ方について解説してきました。最後にまとめをご覧ください。
■プラセンタとは
プラセンタとは、胎盤のことを指します。一般的に「動物の胎盤から抽出される成分」のこともプラセンタと呼びます。
■プラセンタの使用で期待できる効果
プラセンタ療法の効果 |
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美容の効果 |
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■プラセンタの取り入れ方
■プラセンタの副作用・リスク
■プラセンタの注意点
どのような目的でプラセンタを取り入れたいのかによって、正しい方法を選びましょう。