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あなたが理想とする肌は、どのような肌ですか? 年齢を重ねるにつれて、希望の肌質をキープするのは難しくなりますが、その手助けとなってくれるのがさまざまな美容成分です。
今回は、数ある美容成分の中でも「L-システイン」に注目して、希望の肌に近づく方法を考えてみましょう。
「L-システイン」は私たちの髪や爪、皮膚にも豊富に存在する成分で、生命活動に必要なタンパク質を生み出す「アミノ酸」の一種です。
体の構成に必要なもので、不足すると染みができやすくなるだけでなく、爪がもろくなったり髪が抜けやすくなったりします。
L-システインは体内でも作られているのですが、量が少なく、不足しやすい成分の一つだといわれています。年齢が出やすい髪や肌を健やかに保つには、L-システインを外から補うことがとても大切です。
髪や肌を健やかに保つために欠かせないL-システインですが、具体的にはどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここからは、L-システインに期待できる6つの効果をご紹介します。
L-システインには、肌のターンオーバーを正常化する効果が期待できます。
肌のターンオーバーとは、肌の生まれ変わりのことです。ターンオーバーが正しいサイクルで行われることで、潤い成分が適切に生成されるので、肌の乾燥を防げます。肌の潤いが保たれると、外部の刺激から肌を守るバリア機能が維持でき、肌荒れの防止にもつながります。傷や炎症などのダメージからスピーディーに回復するためにも、ターンオーバーの正常化が欠かせません。
加えて、ターンオーバーが正常に行われていると、生成されたメラニンの排出を促すことが可能です。紫外線や摩擦などで生成されたメラニンは、肌にとどまると染みの原因になります。L-システインの効果でメラニン色素の排出を促すことにより、染みのない透明感のある肌が目指せるでしょう。
L-システインには、コラーゲン生成を促進する効果も期待できます。
真皮に存在するコラーゲンは、肌の弾力を作り出し、ハリのある肌に導いてくれる美肌成分です。加齢や紫外線などのダメージによってコラーゲンが減少すると、肌のハリが失われ、たるみが目立つようになります。
L-システインにはコラーゲンの生成を促す働きがあるので、肌の弾力やハリを高める効果が期待できます。たるみ予防・改善のためには、L-システインを摂取すると良いでしょう。
メラニン生成の抑制も、L-システインに期待できる効果の一つです。
前述した通り、メラニンは染みの原因になります。肌が紫外線や摩擦などの刺激を受けると、「ケラチノサイト」と呼ばれる角化細胞が、メラニンを生成するように指令を出します。すると「メラノサイト」と呼ばれる色素を生成する細胞が活性化され、メラニンが生成されてしまうのです。
L-システインには、ケラチノサイトが出すメラニン生成の指令を抑える作用があるため、L-システインを摂取することで、メラニンが生成されにくくなります。L-システインの持つターンオーバーを正常化する働きとの相乗効果で、効果的に染み予防ができるでしょう。
L-システインと一緒にビタミンCを摂取すると、肌にとどまったメラニンを還元し、無色化する効果も期待できるので、さらに染みができにくくなります。
L-システインを摂取すると、抗酸化作用も期待できます。
抗酸化作用とは、活性酸素による細胞の酸化を抑制する作用のことです。紫外線を浴びたりストレスを感じたりすると、体内で活性酸素が発生します。
活性酸素は免疫機能を維持するために欠かせない物質ですが、過剰に発生すると細胞を酸化させる作用を持つのが特徴です。細胞が酸化すると、染みやシワなどの肌老化の原因になる他、生活習慣病の原因にもなってしまいます。
L-システインは抗酸化作用を持つ物質なので、摂取することにより、活性酸素の過剰な発生を抑える効果が期待できます。
L-システインには、体の代謝を促す効果も期待できます。
代謝とは、食事などで摂取した栄養素をエネルギーに変換することです。エネルギーは体を動かすために欠かせないので、不足すると疲れが取れにくくなったり、倦怠感をおぼえたりしてしまいます。
L-システインの構造には、エネルギーを作り出す際に欠かせない「SH基」が含まれているのが特徴です。そのため、タンパク質・脂質・炭水化物とともにL-システインを摂取すると、代謝が高まり、効率的にエネルギーを生み出せます。疲れからのスムーズな回復を促せるようになり、活発に過ごせるようになるでしょう。
二日酔いを軽減する効果も、L-システインに期待できる効果の一つです。
二日酔いになる原因の一つは、アルコールが肝臓で分解される際に発生する有害物質「アセトアルデヒド」です。多量のお酒を飲んで、体が処理できないほど血中のアセトアルデヒドが増加すると、吐き気や頭痛など、二日酔いの諸症状を引き起こします。
L-システインには、アセトアルデヒドの分解を助ける作用があるため、摂取により二日酔いの症状を和らげる効果が期待できるでしょう。
L-システインがもたらす大きなメリットは、美肌を目指せることです。
ご紹介した通り、L-システインには肌のターンオーバーやコラーゲン生成を促進する作用や、メラニンの抑制、抗酸化作用などの効果が期待できます。L-システインを取り入れることで、潤いやハリがある肌を目指せるため、小じわや、たるみによるほうれい線などが目立ちにくくなるでしょう。肌荒れや染みの予防・改善も見込めるので、さまざまな肌トラブルの解消も目指せます。
またL-システインは、髪の毛の主成分であるタンパク質「ケラチン」にも欠かせない物質です。そのため、摂取すると、髪の毛のコシが改善するメリットも期待できます。年齢を重ねて、髪のボリュームが減ったように感じる方、セットがしづらくなったと感じる方にも、L-システインはおすすめです。美肌と同時に美髪が手に入れば、美しさがさらにアップするでしょう。
前述の通り、L-システインには、疲れにくい体作りや二日酔い予防といった健康面でもメリットが期待できます。休んでも疲れが取れにくい方や、お酒を飲む機会が多い方は、L-システインを意識して摂取すると良いでしょう。
L-システインを効率よく摂取する方法をご紹介します。
L-システインを効率よく摂取するには、食事で取り入れることを意識してください。
食品の中には、L-システインを含んでいるものがあります。L-システインに限らず、栄養は食事から摂るのが基本です。L-システインは「シスチン」という物質として、食品に含まれています。
以下のような食品にはシスチンが多く含まれているので、積極的に取り入れましょう。
前述した通り、L-システインをはじめとした栄養素は食事で摂るのが基本です。しかし、食事だけでしっかり摂取しようとすると、かなりの量を食べなくてはならないため、現実的とはいえません。カロリーオーバーになり、太ってしまう恐れもあります。
必要な量を手軽に補うには、サプリメントを活用するのがおすすめです。また今の肌に具体的な変化がほしいのなら、より高い効果が期待できる医薬品の活用をおすすめします。
肌への効果を期待してL-システインを補うときには、ビタミンCとの組み合わせがおすすめです。
ビタミンCには、L-システインと同様にコラーゲンの生成をサポートする働きがあり、肌のキメを整えたり、紫外線ダメージを抑えたりする作用があるといわれています。
ビタミンCと組み合わせることで、気になる染みやそばかすだけでなく、日焼けによる色素沈着への働きかけも期待できるでしょう。
L-システインは、適切に摂取すれば副作用はほとんどないとされています。
しかし、まれに腹痛・下痢・吐き気などの症状が出ることがあるようです。食事からの摂取であれば、基本的にこれらの副作用が起こる可能性はほぼありませんが、サプリメントや医薬品で摂取する場合は注意しましょう。
万が一、何らかの副作用が出た場合は、速やかに摂取を中断し、医療機関を受診するようにしてください。
L-システインをサプリメントで摂取する場合は、必ず用法・用量を守りましょう。いくら美容や健康に良い効果が期待できるといっても、過剰摂取すると前述したような副作用が現れる恐れがあります。
またL-システインには、血糖値を下げる作用を持つ「インスリン」の働きを抑制する作用があります。自覚症状として副作用が現れなかったとしても、L-システインの過剰摂取が糖尿病の原因となる恐れがあるので、注意が必要です。糖尿病を引き起こさないためにも、必ず用法・用量を守ってください。基本的には、適切に摂取していれば問題ないとされています。
加えて、サプリメントでL-システインを摂取したからといって、即効性は期待できません。継続的に服用すれば、効果が期待できるでしょう。
L-システインは、日焼けが気になる季節はもちろん、一年を通した染み対策にピッタリの成分です。ただし、内側からの働きかけには継続的な摂取が欠かせません。
特に医薬品として取り入れる場合は、指定された用法・用量を守ることがとても大切です。
まずは、肌のターンオーバーの周期を基準に、1~3カ月のスパンでじっくりと変化をみていきましょう。