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慢性炎症を起こしやすい人にはどのような特徴がある? ケア方法も解説!

公開日:2021.10.13
更新日:2025.03.19
 

「慢性的に不調がある」「病院に行っても改善しない……」など、心や体のトラブルを感じている人も多いのではないでしょうか。

疲労やストレスなど、無理のある生活を続けている人は、気付かぬうちに体内で炎症が起こっているかもしれません。

そこで今回は、慢性炎症の概要や引き起こしやすい人の特徴、ケアの方法を解説します。

この記事で分かること

  • 慢性炎症の概要
  • 慢性炎症を引き起こしやすい人の特徴
  • 慢性炎症を予防するためのケア方法

慢性炎症とは

慢性炎症とは、体内で慢性的に炎症反応が続くことです。

炎症とは、免疫の働きによってダメージから体を守る防御反応を指します。炎症反応は、私たちの体が、ウイルスや細菌などのダメージから自らを守るために欠かせないものです。炎症反応が起こると痛みや腫れ、熱感などが起こるので、体に異変が起こっていることが分かります。

通常炎症といえば、一時的な反応である「急性炎症」を指すことが多いです。しかし、何らかの原因で軽度の炎症が長期間続いてしまうことがあります。これが「慢性炎症」です。

慢性炎症は、急性炎症のような自覚症状がないことも珍しくありません。しかし、体内では炎症が続いている状態で、組織がダメージを受けてしまいます。また免疫の働きが正常ではなくなることで、自己免疫疾患を発症するケースや、炎症による体内の酸化ストレス増加によって細胞がダメージを受け、不調をもたらしてしまうケースも多いです。

血管や臓器などが、じわじわとダメージを受けるため、動脈硬化や心筋梗塞のような循環器疾患や、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、がん、認知症、うつ病などの引き金になってしまうことがあります。

慢性炎症を引き起こしやすい人の特徴は?

慢性炎症を引き起こしやすい方には、どのような特徴があるのでしょうか。代表的な4つの特徴を見ていきましょう。

お酒をかなり飲んでいる

慢性炎症を引き起こしやすい方の特徴の一つは、お酒をかなり飲んでいることです。

お酒を飲み過ぎると肝臓の負担が大きくなり、肝臓で炎症が起きやすくなってしまいます。免疫機能の低下や活性酸素の増加なども起こるため、肝臓だけでなく全身の慢性炎症を引き起こす原因にもなってしまうでしょう。

また過度の飲酒は、長期的な膵臓の炎症である「慢性膵炎」を起こす主な原因です。慢性膵炎は膵臓の複数箇所で小さな炎症が起こるものですが、この原因の過半数は過度のアルコール摂取とされています。飲酒量が多くなればなるほど、慢性膵炎が起こる可能性が高くなりやすいです。特に上腹部の強い痛みや背中の痛み、吐き気や嘔吐を伴う急性膵炎を起こしたことがある方は、注意する必要があるでしょう。

糖質を多く摂取している

糖質を多く摂取している方も、慢性炎症が起こりやすいです。

体内で糖とタンパク質が結び付くと、老化物質である「糖化タンパク」が生成され、「糖化」が起こります。糖化は「体のコゲ」とも呼ばれる現象です。糖化タンパクの性質が変化し劣化すると、AGEs(終末糖化産物)という物質に変化し、細胞に悪影響を与えてしまいます。

このAGEsは染みやしわなどの肌老化や、臓器や血管を老化させて、さまざまな病気のリスクを高める他、炎症反応を促す性質を持っているのが特徴です。糖質を多く食べる方の場合、このAGEsが多く発生して炎症が促進されやすくなるため、慢性炎症が起こりやすくなってしまいます。

一度発生したAGEsは体内に蓄積されるので、炭水化物や甘いお菓子などを好む方は特に注意が必要です。

疲労やストレスをため込んでいる

慢性炎症が起こりやすい方の中には、疲労やストレスをため込んでいる方も少なくありません。

疲労が蓄積したりストレスを感じたりしていると、心臓の働きや呼吸、消化機能、体温調節など、生きるために必要な機能を司る自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経のバランスが崩れると、免疫が正常に働かなくなるため、慢性炎症が起こりやすくなってしまうでしょう。睡眠不足も自律神経のバランスを崩す原因となるので、慢性炎症の原因となる恐れがあります。

また慢性的なストレスは、炎症性物質の生成を促す原因の一つです。そのため、長期間ストレスにさらされていると、体内で起こっている慢性炎症が悪化する恐れもあります。

運動不足

運動不足も慢性炎症を引き起こしやすい方の特徴の一つです。

急性炎症の場合、ウイルスや細菌から体を守るために炎症が起こりますが、慢性炎症の場合、外部からのダメージに関係なく、脂肪組織で炎症が起こることがあります。運動不足になると内臓脂肪が蓄積しやすくなるため、脂肪組織での炎症リスクが高まり、慢性炎症が起こってしまうかもしれません。

また運動不足になると、血中の悪玉コレステロール量が多くなります。その結果、血管が炎症を起こしてしまうので、さらに慢性炎症のリスクが高くなってしまうでしょう。

加えて運動には、体内で炎症を引き起こすサイトカインを鎮める作用があることが分かっています。適切に運動ができていないと、起こった炎症が治まりにくくなるため、慢性炎症が悪化してしまうかもしれません。

慢性炎症は加齢による免疫低下も原因!?

男性も女性も年齢を重ねると、免疫機能が低下し、正常な免疫システムを維持しにくくなることがあります。その結果、若い頃と比べて、慢性炎症が起こるリスクが高くなってしまいやすいです。

また年齢を重ねると、体内に老化した細胞が蓄積しやすくなります。老化した細胞は炎症を促す物質を分泌するため、炎症がさらに起きやすくなってしまうでしょう。

加齢で代謝が低下することによる脂肪の蓄積に加え、女性の場合は閉経に伴うホルモンバランスの変化も、慢性炎症を引き起こす原因とされています。

一カ所で慢性炎症が起こると全身に広がり、その他の臓器や血管などにも悪影響を及ぼすので、日頃から予防し、起こった炎症には早めに対処することが大切です。

今日から始める!慢性炎症を防ぐケア方法

前述した通り、性別に関係なく、年齢を重ねると慢性炎症が起きやすくなってしまいます。一度慢性炎症が起こると、回復にも時間がかかりやすいので、日頃から慢性炎症の予防を行うことが大切です。

特に女性は40歳前後からホルモンバランスの変化が起こりやすくなるため、慢性炎症のリスクが高くなる傾向にあります。これからご紹介するケア方法を実践して、慢性炎症を予防しましょう。

食生活の見直し

慢性炎症を防ぐためには、食生活の見直しを行いましょう。

栄養バランスの取れた食事を基本とし、炭水化物や甘いお菓子を多く食べている方は、意識して控えることが大切です。また脂質を含む食品を控え、n-3系多価不飽和脂肪酸を含む食品を積極的に食べると、血液中の脂肪である中性脂肪の減少を目指せるため、慢性炎症の予防につながります。

前述したようにアルコールも慢性炎症を引き起こす原因なので、飲酒習慣がある方は適量にとどめるか、禁酒に挑戦しましょう。

気分転換の時間を作りストレスをためない

慢性炎症を防ぐためには、気分転換の時間を作り、ストレスをためないように心掛けることも大切です。

ストレスは大きく分けると、気温や騒音などによる物理的ストレス、薬物や公害などによる化学的ストレス、そして過労や人間関係などによる心理的ストレスがあります。心理的ストレスが発生する状況を変えるのは難しいかもしれませんが、趣味や好きなことをして過ごし、意識的にストレス発散をすることで、慢性炎症の予防につながります。自分なりのストレス発散方法を見つけて、ストレスが蓄積しないようにしましょう。

運動不足の解消

運動不足の解消も、慢性炎症の予防には欠かせません。

脂肪を減少させるには、脂肪を燃やす効果が期待できる有酸素運動がおすすめです。ウォーキングやジョギングなどを毎日30分以上、最低でも週3日程度を目標に行いましょう。強度の高い運動は体を老化させる活性酸素を多く発生させ、逆効果になることもあるので、ご自身の今の運動習慣に合わせ、無理のない範囲で行うことが大切です。

運動を連続30分以上行うのが難しい場合は、複数回に分けて行っても構いません。また電車移動や車移動を自転車移動に変える、一駅分歩く、家事で意識的に体を動かすことも、運動不足解消につながります。

運動はストレス発散にもなるため、慢性炎症の予防には効果的です。

漢方や食薬で体内を整える

慢性炎症の予防には、漢方や食薬を取り入れるのもおすすめです。

東洋医学では、心と体のバランスを整えてケアしていきます。西洋医学で病名がつかないような症状や悩み、心のゆらぎなども、漢方でケアできるのが特徴です。漢方にはさまざまな種類があるため、病院を受診するか、ドラッグストアで「漢方相談」を行い、適した漢方を服用することをおすすめします。

食薬とは、漢方や栄養学の考え方をベースにして腸を整える食事法のことです。前述した食生活の見直しに加えて、漢方を取り入れることで、腸の健康の改善が目指せます。食薬は家庭でも気軽に取り入れられるので、ぜひ今日から試してみてはいかがでしょうか。

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