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「たるみを改善したい」「若々しさを取り戻したい」など、加齢によるたるみに悩んでいるのではないでしょうか。
たるみを改善して年齢に逆らうためには、今まで以上にホームケアを徹底することが大切です。さらに、40~50代以上がたるみを改善したい場合は、美容皮膚科による治療も視野に入れて考えるのも一つの手段です。
そこで今回は、顔のたるみが起こる原因や改善方法、効果のある美容医療などをご紹介します。顔のたるみを徹底的に改善したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
年齢を重ねるに伴い顔の皮膚にたるみが目立つようになりますが、そもそもなぜたるみは起こるのでしょうか?
たるみが起こる原因や、何歳からたるみが起こりやすくなるのかについて説明します。
人の肌は表皮・真皮・皮下組織の三層構造になっています。このうち、肌の張りに関係しているのが表皮の下にある真皮層です。真皮層は弾力成分であるエラスチンやコラーゲンによって構成されており、表皮を下から支える形で皮膚の張り・弾力を保持しています。
エラスチンやコラーゲンは体内で生産される生体成分ですが、加齢とともに生産量が減少していきます。これらの成分の減少量には個人差がありますが、40代にはピーク時の半分にまで減少するというデータもあるようです。弾力成分の生産量が不足すると、真皮が表皮を支え切れなくなり、重力に従って皮膚がたるむ原因となります。
また、皮下脂肪の増減もたるみの原因の一つです。食生活の乱れや運動不足によって顔の皮下脂肪が増加すると、重みによって皮膚が垂れ下がることがあります。
逆に、ダイエットなどによって皮下脂肪が大幅に減った場合も、余った皮膚がたるみの原因となります。
顔の皮膚の状態には個人差があるため、一概に「◯歳からたるみ始める」と言い切ることはできませんが、一般的には20代後半から始まるとされています。
実際にたるみを実感するのは30代以降であるケースが多いようですが、人によっては20代からたるみに悩み始める方もいます。
顔のたるみを予防するためには、早い段階から適切な対策を講じた方が良いでしょう。
顔がたるむ主な原因は加齢によるエラスチンやコラーゲンの減少にありますが、他にも以下のような原因が考えられます。
ここでは顔がたるむ三大原因について詳しく解説します。
表皮の一番外側にある角質層は、天然保湿因子やセラミドなどの角質細胞間脂質によって構成されており、常時潤いを保持する役割を担っています。
ところが、空気が乾燥すると角質層の潤い保持能力が低下し、肌の水分量をキープできなくなります。その結果、皮膚の張りや潤いが不足し、たるみが起こる原因となるのです。
なお、乾燥は外側からの働きかけだけでなく、体の水分不足も影響しています。体全体の水分量が不足していると、たとえ空気が乾燥していなくてもたるみが発生しやすい状態になるため注意が必要です。
人に影響を及ぼす紫外線には波長の長いUVAと波長の短いUVBの2種類があります。このうち、一年を通じて降り注ぐUVAにはコラーゲンやエラスチンに直接ダメージを与える作用があり、たるみを引き起こす原因になるため注意が必要です。
また、紫外線を浴びると真皮層で活性酸素が発生しますが、これにはコラーゲンやエラスチンのつながりを断つ酵素を活性化させる働きがあるとされています。
顔には、表情筋と呼ばれる筋肉が縦横に走っています。その名の通り、笑顔や怒り顔、泣き顔などさまざまな表情を作るために必要な筋肉で、真皮層と共に表皮を支える役割も担っています。
しかし、老化が進んだり、無表情でいる時間が長かったりすると表情筋が衰え、皮膚が垂れ下がる原因になるため注意が必要です。
特にコロナ禍以降は、テレワークの普及やマスクの着用などの影響で表情をあまり動かさなくなった人が増えたため、知らない間にたるみが進んでいる可能性があります。
顔のたるみを目立たなくするためには、できるだけ早いうちからホームケアを始めることが大切です。保湿や紫外線対策の徹底など、基本的なケアを行うことで若々しい張りを保ちやすくなります。
「化粧水」「乳液」など、基本的な保湿ケアはしっかり行いましょう。
肌の表面をケアしたからといって、必ずしもたるみが改善できるわけではありません。しかし表皮や真皮の張りを整えておけば、多少のマイナスはカバーできます。
紫外線対策は、しみ・そばかすを防ぐためのものだと思っていませんか?
実は、紫外線対策はたるみ対策や改善にも効果的です。外出するときは、必ず日焼け止めを塗るようにしてください。
紫外線には波長が長い「UVA」と、波長が短い「UVB」の2種類があります。肌が黒く日焼けし、しみを作るのは波長の短い「UVB」が原因です。
波長が長い「UVA」は即効性がないものの、肌の奥深くまで届いて少しずつ「コラーゲン」「エラスチン」を破壊してしまいます。すると肌の張りが保てなくなるので、たるみの原因になってしまうのです。
紫外線「UVA」による老化を「光老化」といいます。「UVA」は一年中地表に降り注いでいるので、秋?春も紫外線対策を続けることが大切です。
紫外線対策をしていても、普通に生活していれば自然とダメージを受けてしまうもの。
光老化を軽減させるためには、「ビタミンA類(レチノイド)」が配合されたスキンケアを使うのがおすすめです。「ビタミンA(レチノイド)」は研究で実証されている美容成分で、表皮、真皮の光老化を軽減させる効果が期待できます。
「ビタミンA類(レチノイド)」の中でも「トレチノイン(レチノイン酸)」という種類は医薬品なので、医師の処方が必要です。ドラッグストアで販売されているような化粧品には、「レチノール」「レチナール」などの名称で配合されています。
たるみの改善にはリフトアップに効果的な美顔器の使用もおすすめです。
RF(高周波エネルギー)を使った美顔器を肌に当てることで、真皮におけるコラーゲンの生成を促し、肌の張り感を高めます。さらに肌の表面を50?60度で温めることで、皮膚を引き締める効果も期待できます。
「たるみはスキンケアではどうにもならないの?」と悩んでしまう人もいるかもしれませんが、このように肌の張りや引き締め効果が期待できる有用な成分を日々のお手入れで取り入れることが大切です。
毎日の肌の変化をチェックしながら、ゆっくりと移り変わる肌印象を見守っていくことから始めてみましょう。
加齢や無表情の影響で表情筋が衰えるとたるみの原因となるため、フェイスストレッチで表情筋を意識的に動かす習慣を付けましょう。
フェイスストレッチの方法はさまざまですが、スタンダードなやり方は、顔全体を大きく動かしながら「あ・い・う・え・お」の口の形を作るトレーニングです。一文字ごとに5秒キープし、あいうえおをワンセットとして、2~3セット繰り返すのが理想です。
いつでもどこでも実践できるトレーニングのため、毎日忘れず続けられるよう、起床時や就寝前など、トレーニングする時間やタイミングを決めておくと良いでしょう。
顔のたるみは外側からのケアだけでなく、体の内側からでも予防・改善できます。ホームケアと併せて行えば相乗効果を期待できるため、以下のポイントを参考に生活習慣も見直してみましょう。
肌の弾力成分は外側からだけでなく、食事を通じて体の内側から補給することも可能です。
食材の一例を挙げると、手羽先や豚バラ肉、牛すじ、うなぎ、ゼラチンなどには、コラーゲンがたっぷり含まれています。ただ、これらの食材はカロリーや脂質の量も多いため、食べ過ぎには十分注意しましょう。
なお、体内でコラーゲンを合成するには、ビタミンCなどの栄養素が必要不可欠です。いくらコラーゲンを摂取しても、ビタミン不足だと体内で十分なコラーゲンを作れず、たるみ防止効果が薄れてしまうため、ビタミンCを含む食べ物も積極的に摂取しましょう。
ビタミンCはミカンやキウイなどの果物の他、赤パプリカやキャベツ、ブロッコリー、ミニトマトなどの緑黄色野菜に豊富に含まれています。ビタミンは熱に弱いため、生のまま食べるか、ゆで汁もそのまま摂取できるスープなどにして食べるのがおすすめです。
また、活性酸素に対する抗酸化作用が強いアスタキサンチンが含まれている食べ物を取るのも有効な手段の一つです。アスタキサンチンは赤い色素成分の一種で、エビやカニなどの甲殻類や、サケ、イクラなどの魚介類、トマトや赤パプリカなどの野菜に含まれているため、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
一方、たるみ防止のためになるべく摂取を控えた方が良い食べ物もあります。例えば、糖分の多いスイーツやジュースなどを摂取し過ぎると、糖とたんぱく質が結び付く糖化という減少が起こりやすくなり、肌老化を促進させる原因となるため注意しましょう。
人が寝ている間に分泌する成長ホルモンには、コラーゲンの生成を促進するIGF-1の分泌を促す作用があります。そのため、慢性的な睡眠不足に陥ると、成長ホルモンが十分に分泌されず、コラーゲンの生成が妨げられる恐れがあるため注意が必要です。
また、睡眠不足によってホルモンバランスが乱れると、肌の生まれ変わりを促すターンオーバー機能が低下して肌の回復が遅れる要因となります。その結果、肌の老化が進んでたるみやしわが目立ちやすくなるため、毎日十分な睡眠を取るようにしましょう。
ただ長く眠れば良いわけではなく、寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない、部屋を暗くして眠る、起きたら朝日を浴びるなどの工夫を取り入れ、睡眠の質を高めることも大切です。
スキンケアでたるみを改善できないときは、医療を取り入れるのも一つの手段です。たるみの原因を突き止め、一人ひとりに合った治療でたるみの改善に導きます。
脂肪などの皮下組織の減少によるたるみには、ヒアルロン酸注射や脂肪移植が効果的です。
脂肪組織は大量にあると太った印象を与えてしますが、逆に減少し過ぎることで、こけ感や皮膚のたるみを助長してしまい、老けた印象を与えてしまいます。
ヒアルロン酸注射は、ボリュームがなくなった部位に直接的にボリュームを増やすことができます。皮下から皮膚を押し上げることで自然なふくらみが生まれます。張り感アップに即効性が期待できるので、素早く効果を実感したい人におすすめです。
脂肪移植は、自分自身から採取した脂肪を気になる部分に注入する治療です。自分の脂肪を使うので異物反応が起こりにくく、定着するので効果が長続きしやすいといったメリットがあります。
表皮のたるみには、医療用の「RF」という高周波エネルギーを使った治療をおすすめすることもあります。
「RF」の高周波エネルギーによってコラーゲンやエラスチンが生成され、しわやたるみを改善します。老化によるたるみはもちろん、急激なダイエットによる皮膚のたるみにも効果的です。
「RF」はホームケア用の美顔器にも導入されていますが、医療用の方がより高い効果が期待できます。メスを使わずにたるみ改善できるので、手軽に治療を受けたい人にもぴったりです。
筋膜のゆるみが原因で起こるたるみには、「ハイフ」という治療が効果的です。
「ハイフ」は筋膜の表面を熱で焼き、筋膜を引き締めることでたるみを改善します。ほうれい線や口元のたるみ、二重あごの改善にもおすすめです。
「ハイフ」は超音波を使って照射する治療なので、外科手術ではありません。メスを使わずにたるみを改善できるので、画期的なリフトアップ方法として注目されています。
ゆるんでしまった組織全体を糸でキュッと引き上げるのが「糸(スレッドリフト)」です。真皮や筋膜など、ゆるんでいる部分を全体的に引き上げてたるみを改善させます。
さらに本格的な治療が「フェイスリフト手術」です。「フェイスリフト手術」はゆるんでしまった筋膜自体を取り、縫い縮めることでたるみを引き上げます。
筋膜にアプローチするときは、まずは「ハイフ」から試してみるといいでしょう。より本格的な治療を行いたい場合は、「糸(スレッドリフト)」「フェイスリフト手術」と段階を上げていきます。
たるみの原因が骨の萎縮なら、骨のカバーになるような手術を行います。
硬いヒアルロン酸を頬のトップに入れれば、ほうれい線のたるみ改善に効果的です。硬いヒアルロン酸をあごに入れれば、あご周りのたるみを改善できます。
より本格的な手術になると、プロテーゼや耳や肋骨の軟骨を移植する手術を行うことも可能です。骨格を高くなる分、余分な皮膚がなくなり張りが生まれるので、たるみ改善につながります。
フォトフェイシャルとは、IPLと呼ばれる特殊な光を顔に照射することで、顔のさまざまな悩みにアプローチできる美容法です。
中でもフォトフェイシャルM22は新しいIPL技術により、光の波長や出方を細かく調整できる仕様になっており、従来のフォトフェイシャルよりもさらに肌の悩みに合わせたピンポイントな治療が可能となっています。
痛みやダウンタイムも少ないため、肌のたるみに悩んでいる方はフォトフェイシャルを試してみてはいかがでしょうか。
「たるみ改善にいい」と思ってやっていることが、実は逆効果の可能性もあります。やらない方がいいこともしっかり認識し、正しいケアを行いましょう。
引き締めにいいとされる「マッサージローラー」の多用は、あまりおすすめできません。
マッサージローラーでぐいぐい引き上げていると靭帯がゆるみやすくなり、かえってたるみの原因を作ってしまう可能性があります。
どうしてもマッサージローラーを使いたい場合は使用方法を守り、リラクゼーション感覚で優しく行うようにしてください。
急激なダイエットを行うと、脂肪の減少に皮膚の収縮が追いつきません。
すると皮膚が余ってしまうので、張りを失った皮膚がたるみになってしまいます。いくら急激に体が細くなっても、肌がしわしわにたるんでいたら美しいとはいえません。
健康と美容のためにも、ダイエットは適切なやせ方を心掛けましょう。
肌のたるみを改善するためには、保湿や紫外線対策など基本的なスキンケアを行うことが大切です。
その上で「ビタミンA(レチノイド)」や「美顔器」などのホームケアも積極的に取り入れ、張りのある引き締まった肌をめざしましょう。
しかし年齢を重ねると、スキンケアではどうしても改善し切れないたるみも出てくるはず。スキンケアでの改善が難しいたるみは、美容皮膚科でより専門的な治療を受けることも視野に入れて考えてみてもよいでしょう。