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プラセンタとは、哺乳動物の胎盤から抽出された成分のことで、さまざまな栄養素を豊富に含んでいます。美肌やエイジングケアにうれしい美容効果が期待できる他、血行促進や更年期障害など、健康面での効果も期待できる成分です。
ただし、プラセンタは安全性が高い成分であるものの、ごくまれに副作用やアレルギーが起こることがあります。そのため、どのようなケースでどういった副作用やアレルギーが起こるのかを、事前に把握しておきましょう。
この記事では、プラセンタの副作用やアレルギーについて解説しています。また、プラセンタを安全に取り入れるための商品選びのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にして、安心してプラセンタを活用しましょう。
プラセンタ(胎盤)注射とは、ヒトの胎盤から抽出したプラセンタ製剤を注入する施術のことです。
プラセンタとは胎盤を意味しますが、胎盤から抽出した成分をプラセンタと呼ぶこともあります。医療機関で行われるプラセンタ注射に用いられているのは、ヒト由来のプラセンタです。プラセンタ配合のスキンケアコスメやプラセンタサプリメント、プラセンタドリンクなどの場合、一般的に羊・豚・馬などの動物由来のプラセンタが用いられています。
母体と胎児をつなぐ胎盤は豊富な栄養を含んでいるのが特徴で、動物の中には産後の体力回復のために自らの胎盤を食べる習性を持つものも多いです。
プラセンタには、主に以下のような栄養が含まれています。
また栄養だけでなく、細胞の修復や再生をサポートする成長ホルモンの分泌を促す「成長因子」を豊富に含んでいることも、プラセンタの特徴です。
豊富な栄養や成長因子が配合されたプラセンタ注射を受けると、美容効果が期待できる他、更年期症状の改善にも効果があるといわれています。
プラセンタ(胎盤)注射は医療行為なので、医師もしくは看護師に打ってもらう必要があります。
一般的にプラセンタ注射を打つのは、上腕の外側やお尻などです。上腕の外側やお尻への皮下注射は、注射時の痛みが少ないといわれています。また筋肉に注射することも可能です。筋肉注射は皮下注射に比べると痛みが強い傾向にありますが、吸収や浸透がスムーズに行われるため、より早く効果が実感できるとされています。
一度に注入できるプラセンタ製剤の量は、1〜10アンプルです(※1)。1アンプルは1mlなので、最大20mlを一度に注入できます。疾患やお悩みによって適した量が異なるため、まずは医師に相談してみましょう。
更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害などの治療として保険適用で注入する場合は、1回1アンプルと決まっています。ただし地域によっては、肝機能障害の治療で注入する場合に限り、2アンプルまで可能としているところもあります(※2)。
プラセンタ注射を打つ頻度は、一般的に1〜2週間に1回です。ただし、症状などによっては月1回程度のこともあります。打ち始めは週に3回程度の頻度で打ち、徐々に間隔を長くするケースもあるようです。注射を打つ適切な頻度も人によって異なるので、医師に相談するようにしてください。
※1 参考:一般財団法人 日本プラセンタ医学会.「プラセンタ治療に関するQ&A」.(参照 2025-01-07)
※2 参考:一般財団法人 日本プラセンタ医学会.「プラセンタ治療に関するQ&A」.(参照 2025-01-07)
プラセンタ(胎盤)注射で期待できる効果のうち、美容効果には以下のようなものがあります。
また以下のような健康効果も期待できます。
このようにプラセンタは、美容や健康の幅広いお悩みに効果が期待できるのが特徴です。
プラセンタの副作用で特に注意すべきなのは、病院で「注射」による治療を受ける場合です。サプリメントや美容液でのプラセンタの接種は特に副作用はありませんが、プラセンタ注射のみ副作用を考慮しなければなりません。
プラセンタ注射は、更年期障害・乳汁分泌不全・肝機能障害の3つの疾患の治療に用いられ、その効果は厚生労働省にも認められています。
注射の種類は、メルスモンとラエンネックの2種類があり、それぞれ効能も副作用も異なります。
では、それぞれの効能と副作用について詳しく見ていきましょう。
メルスモンは、更年期障害や乳汁分泌不全の治療に用いられるプラセンタ注射です。メルスモンでは、以下のような副作用が起こる可能性があります。
症状 | 発生頻度 | |
---|---|---|
重大な副作用 | ショック(冷や汗、息苦しさ、立ちくらみ、血圧低下 など) | 頻度不明 |
注射部位の副作用 | 発赤、疼痛 など | 5%以上 |
過敏症の副作用 | 悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹 など | 0.1〜0.5%未満 |
ラエンネックは、肝機能障害の治療に用いられるプラセンタ注射です。ラエンネックには、以下のような副作用が起こる可能性があります。
症状 | 発生頻度 | |
---|---|---|
重大な副作用 | ショック(冷や汗、息苦しさ、立ちくらみ、血圧低下 など) | 頻度不明 |
注射部位の副作用 | 発赤 | 1〜5%未満 |
硬結 | 0.1〜1%未満 | |
過敏症の副作用 | 発疹、発熱、そう痒感 など | 0.1〜1%未満 |
肝臓の副作用 | 肝機能障害(AST、ALT上昇等) | 頻度不明 |
プラセンタ注射は治療に用いられますが、美容目的でも使われることがあります。ただし、美容目的であっても前述のような副作用は、同様に起こる可能性があります。
プラセンタはサプリメントをドリンク摂取したり、原液美容液を肌に塗ることでも取り入れられるため、副作用が心配な場合は注射以外の方法を選びましょう。
では、それぞれの取り入れ方について解説します。
サプリメントやドリンクでプラセンタを継続的に摂取すると、注射ほどの即効性はありませんが、身体の内側から穏やかに効いていきます。
プラセンタには、肌の潤いを保つといった美容効果以外にも、以下のような健康効果が期待できます。
摂取し続けることで、これらの効果も得られる可能性があります。
プラセンタが配合された化粧品もあります。スキンケアとしてプラセンタを塗布することで、肌へダイレクトに成分を届けられるため、効果的に美肌効果が得られます。
プラセンタ配合の化粧品は数多くありますが、プラセンタエキスの濃度が高い原液美容液を使用するのがおすすめです。プラセンタの効果を実感しやすく、いつものスキンケアにプラスするだけでいいので、気軽に取り入れられるでしょう。
プラセンタの原液美容液を使用することで、以下のような美容効果が期待できます。
肌の再生力を高める | ・プラセンタが肌の内側にある真皮層の線維芽細胞の増殖を促すことで、ハリや弾力の維持につながるといわれている ・プラセンタに含まれる成長因子が、細胞の働きを活発化することで、細胞の修復や再生をサポートする |
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肌の保湿力を高める | ・プラセンタには遊離アミノ酸という成分が豊富に含まれている ・遊離アミノ酸が潤いを与え、皮膚を柔らかくすると考えられている |
しみ予防 | ・プラセンタは、医薬部外品の美白有効成分としても認められている ・プラセンタは、活性酸素(チロシナーゼ)の働きを阻害するといわれており、これによりメラニンの生成が抑えられ、しみ予防効果が期待できる |
抗酸化作用 | ・プラセンタの抗酸化作用によって、しみやしわの原因となる活性酸素種を中和できる |
これらの効果については、以下の記事で図を用いて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
プラセンタ注射以外で取り入れる場合でも、サプリメントやドリンクは体内に入れるものであり、美容液は肌に塗るものです。そのため、品質や安全性はしっかりと確認しましょう。
プラセンタの商品を選ぶ場合のポイントは、以下の4つです。
では、選び方について詳しく解説します。
市販品として購入できるプラセンタの多くは豚プラセンタですが、馬プラセンタや、まれに羊プラセンタが使用されていることがあります。
現在、日本国内で流通している羊由来のプラセンタは海外からの輸入品のため、原産国や品質の見極めに注意が必要です。羊プラセンタを使用する場合、BSE(牛海綿状脳症)が発生していないオーストラリア、ニュージーランド産のものが安全性が高いといわれています。
また、海洋性プラセンタや植物性プラセンタといったものもありますが、そもそも魚や植物には胎盤がないため、正確にはプラセンタとはいえません。
これらには成長因子(細胞分裂を活発化させる物質)が含まれていないため、成長因子や栄養素が豊富に含まれている動物由来のプラセンタを使用した方が、高い効果を得られるでしょう。
豚プラセンタを配合した商品を使用する場合、「SPF豚」のものを選ぶことをおすすめします。
SPF豚とは、日本SPF豚協会が定めた基準をもとに飼育された豚のことで、厳しい環境管理に加え、抗生物質を使用していません。そのため、プラセンタの品質と安全性が高いといわれています。
※引用:公益財団法人 日本健康・栄養食品協会:健康補助食品とは
「JHFA」とは、日本健康・栄養食品協会の認定マークであり、協会による厳しい品質規格基準や安全性試験をクリアし、徹底した品質管理のもと製造されたものに付けられるマークです。
サプリメントやドリンクの商品を選ぶ際には、JHFAマークがついているものがおすすめです。
成分を希釈せずに作られた高濃度なプラセンタエキスは、成分そのままの効果が得られるといわれています。
そのためプラセンタのスキンケア商品を選ぶ際は、濃度が濃い原液を選ぶのがおすすめです。プラセンタの原液は、副作用の心配もほとんどないといわれています。
しかし、成分が希釈されているものを原液タイプといっているメーカーもあるため、見極めには注意が必要です。
プラセンタ商品を使用する際には、以下の点に注意しましょう。
では、これらの注意点について解説します。
プラセンタを経口摂取で取り入れる場合、飲み合わせについて特に気を付けることはないといわれています。
ただし、現在服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
また、ピルを服用している女性の場合、女性ホルモンを活性化させるプラセンタが、ピルの作用を減少させてしまう可能性があるため注意が必要です。
さらに、他のサプリメントや栄養ドリンクとの併用で、栄養成分の過剰摂取にならないように気を付けましょう。栄養の種類によっては、過剰摂取が体調不良を引き起こすこともあります。
サプリメント・ドリンク・化粧品はプラセンタ注射と比べて安全ですが、副作用がまったくないとはいえません。体質やアレルギーによっては合わない場合もあるからです。
そのため、肌や体調に異常を感じた際は、すぐに使用を中止しましょう。
ヒト由来のプラセンタ注射はvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)のリスクが完全に否定できないため、注射すると献血ができなくなります。
実際にはヒト由来のプラセンタ注射によるvCJDの発生は報告されていませんが、病気について解明されていないことが多いため、このような決まりが設けられているのです。
ただし、化粧品やサプリメントなどで取り入れる場合は、使用されているプラセンタがヒト由来でないため、献血も問題ありません。
この記事では、プラセンタの副作用やアレルギーについて解説しました。
プラセンタをスキンケアやサプリメントで摂取する場合には、特に副作用の心配はありませんが、病院でプラセンタ注射を受ける場合には、ショック症状、発赤、発熱、発疹などの副作用がでる場合があります。
そのため、プラセンタ注射を実施する場合は医師の説明をよく聞き、信頼できる病院で治療を受けましょう。
■注射以外でプラセンタを取り入れる方法
■プラセンタ配合商品の選び方
■プラセンタを使用する際の注意点
プラセンタは、美容や健康面で大きな効果が期待できる一方で、副作用などの可能性もゼロではないため、アレルギーや飲み合わせには注意が必要です。
また、原材料や産地、品質を見極め、安全性の高いものを選びましょう。
献血ができなくなると困る方は、化粧品やサプリメントで取り入れるのがおすすめです。自分の体質に合った安全なプラセンタを選び、美しく健康な肌や身体を目指しましょう。