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しわやたるみが気になり始めたとき、そのメカニズムを知って対策を進めることが若々しい見た目を維持する大切なポイントです。
実は、肌のしわやたるみには標準化されたグレード(段階)があります。ご自身の肌がどれくらい老化しているのかが分かれば、適切なケアを選び、効率よくエイジングケアを進められるのです。
そこで今回は、肌の状態に合わせたエイジングケアの方法を解説します。
アンチエイジングという言葉を耳にしたことがある方は多いでしょうが、具体的にアンチエイジングが何か説明することはできるでしょうか。アンチエイジングに取り組む前に、まずはアンチエイジングがどのようなものかを理解しておきましょう。
アンチエイジングは、「抗う」を意味する「anti」と、「加齢」「老化」を意味する「aging」を組み合わせた言葉で、「老化を抑えること」を意味します。
アンチエイジング=美容というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、アンチエイジングは美容だけに使われる言葉ではありません。健康の面でも、加齢によって起こるさまざまな不調や病気のリスクを抑えることは、アンチエイジングに当たります。
美容面でのアンチエイジングは、加齢によって起こるしわやしみ、たるみなどに対して、セルフケアを行ったり美容医療を受けたりして、若々しさを維持することを指します。
アンチエイジングと似たような言葉に、エイジングケアがあります。
エイジングケアとは、年齢に応じたケアを行い、老化を防ぐことを指します。老化を抑えるためにセルフケアなどを行うアンチエイジングと、意味に大きな違いはありません。
エイジングケアという言葉は、薬機法への抵触を避けて化粧品などの広告表示を行うための言葉として生まれました。
「老化を抑える」という意味のアンチエイジングという言葉は、化粧品の広告表示で使用することが禁止されています。「年齢に応じたお手入れ」という意味のエイジングケアは、注釈が必要になるものの、広告表示に使用できる表現のため、アンチエイジングに代わる言葉として使用されています。
年齢を重ねると、肌にはさまざまなしみやしわ、たるみといった老化現象が起こりますが、どうして肌は老化してしまうのでしょうか。肌が老化する代表的な3つの原因を解説します。
肌が老化する原因の一つは紫外線によるダメージです。
地表に届く紫外線は、大きく分けてUV-AとUV-Bがあります。UV-Aは、日焼けにはほとんど影響しないものの、真皮まで届き、肌に弾力やハリをもたらすコラーゲンやエラスチンを変性させる作用を持っているのが特徴です。UV-Aを浴び、コラーゲンやエラスチンがダメージを受けると、肌が弾力を保てなくなって、しわやたるみが目立つようになります。
またUV-Bは、肌の表皮にダメージを与える紫外線です。表皮がダメージを受けると、肌を守るためにメラニン色素が生成されます。メラニン色素が沈着してしまうと、しみやくすみが目立つようになるでしょう。
日焼けのようにすぐに変化が分かるUV-Bと異なり、UV-Aによるダメージは、長い時間をかけて蓄積し、しわやたるみを引き起こします。現在たるみが気にならない方でも、しみが目立つようであれば、将来的に紫外線ダメージの蓄積によるたるみが起こるかもしれません。
乾燥も肌を老化させる原因の一つです。
肌が乾燥すると、肌の表面に浅いしわが目立つようになります。これがいわゆる「小じわ」です。また肌が乾燥すると、肌本来が持っているバリア機能が低下するので、紫外線など外部からの刺激によるダメージを受けやすくなり、メラニン色素が生成されやすくなります。乾燥するとターンオーバーも乱れてしまうため、生成されたメラニン色素を排出できず、しみができてしまうこともあるでしょう。
年齢を重ねると乾燥肌に傾きやすくなりますが、間違ったスキンケアをしている方や不規則な生活習慣の方は、年齢に関係なく乾燥が進んで、肌が老化してしまいやすいです。
加齢も肌を老化させる原因の一つです。
年齢を重ねると、骨の骨密度や皮下脂肪が減少することがあります。
骨は皮膚や脂肪、筋肉などを支える土台です。骨密度が減少して骨が痩せると、皮膚や脂肪、筋肉を支える力が弱くなるため、たるみが起き、しわが目立つようになってしまいます。
また皮下脂肪が減少すると皮膚がたるむので、ほうれい線などの溝が目立ちやすくなります。加えて、皮下脂肪が本来の位置から移動してしまうことで、フェイスラインがぼやける他、口元や頬のたるみが目立って、いわゆるブルドッグ顔になってしまうこともあるでしょう。
そもそも、どうして加齢するとしわやたるみができてしまうのでしょうか? 肌が老化する原因を知り、適切な対処方法で肌老化にストップをかけていきましょう。
「小じわ」は、肌荒れから始まるものと考えられています。
睡眠不足や紫外線の影響など……何らかの影響で肌が炎症を起こし、キメが乱れるところから始まるのです。一過性の肌荒れなら問題ありませんが、そのまま肌荒れによるキメの乱れが続くと「小じわ」に進行していきます。
小じわの段階なら、セルフケアで改善できる見込みがあります。また即効性を求めるなら、小じわの改善を目指せる美容医療を受けるのも一つの方法です。小じわを放置すると徐々に深くなってしまうので、早めに対処するようにしましょう。
セルフケアで小じわを改善したいなら、FRACORAの「ヒト幹細胞培養エキス原液 LP(ヒトカン)」がおすすめです。肌を活性化するヒト幹細胞培養エキスを原液のまま配合した美容液で、乱れた肌のキメや乾燥を改善し、小じわの目立ちにくい肌へと導きます。
「大じわ」が現れる主な原因は、加齢や紫外線ダメージです。
年齢を重ねると、真皮にある線維芽細胞の働きが弱まります。線維芽細胞は、肌に弾力を与えるコラーゲンやエラスチンを生成する細胞です。コラーゲンやエラスチンが減少することで、肌のハリが失われて皮膚を支えられなくなるので、深く刻まれた大じわができてしまいます。
また前述した通り、紫外線の一種であるUV-Aは、真皮に届いて、コラーゲンやエラスチンを変性させる作用を持っているのが特徴です。UV-Aのダメージが蓄積すると、肌の弾力が低下して皮膚が下垂し、深いしわやたるみが目立つようになるでしょう。
コラーゲンやエラスチンの減少や変性による大じわは、化粧品によるスキンケアでは改善が難しいです。
加齢によってしわやたるみが進行しやすくなるのは、ターンオーバーが遅くなるからです。
若いときは28日周期でターンオーバーするといわれており、肌細胞は定期的に新しく生まれ変わります。肌荒れが起こっても、すぐに肌が生まれ変わるのでしわに進行しないのです。
しかし30代以降になると、ターンオーバーが40〜50日周期になります。肌がダメージを受けても、ターンオーバーが遅いのでなかなか再生されません。
たるみは、頭蓋骨の骨粗しょう症が影響していることも分かってきています。
日本人女性の平均的な閉経年齢は51歳前後ですが、閉経してから2年ほどで骨粗しょう症が進む傾向にあります。閉経してから骨粗しょう症が進む約2年間に、容貌の変化が激しく起こるようです。
骨粗しょう症をできるだけ遅らせることで、たるみを予防できると考えられます。生活習慣の改善やビタミンDとカルシウムのサプリメント摂取、食事でのたんぱく質摂取、必要に応じてホルモン治療など、更年期〜閉経までにさまざまな対策をしておくことがたるみ予防に有効です。
肌老化の進み方には、ある一定の規則性があると考えられています。自分の肌がどれくらい老化しているのか知りたいときは、ここで紹介する「肌グレード」を基準にするのがおすすめです。
「肌グレード」によってスキンケアのアプローチ方法も変わってくるので、自分に合ったコスメを選ぶときの参考にしてみてください!
日本香粧品学会では、小じわの指標として「肌グレード」という指標を公表しています。
このグレードは、大手化粧品メーカーも使用している老化の指標です。目尻のしわを基準にして、グレード0〜7までの段階で老化の状態を表しています。
グレード0 | しわはない |
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グレード1 | 不明瞭な浅いしわがわずかに認められる |
グレード2 | 明瞭な浅いしわがわずかに認められる |
グレード3 | 明瞭な浅いしわが認められる |
グレード4 | 明瞭な浅いしわの中に、やや深いしわがわずかに認められる |
グレード5 | やや深いしわが認められる |
グレード6 | 明瞭な深いしわが認められる |
グレード7 | 著しく深いしわが認められる |
小じわが進行すると「大じわ」「たるみ」に進んでいくと考えられています。
▼しわの変遷
最初は肌の表皮が乱れ、それが進行すると肌深部のエラスチン構造に影響して「小じわ」になります。
さらに進行すると皮下組織が乱れ、溝が深くなっていくのが「大じわ」です。骨や筋肉まで衰え、そこに皮下脂肪が付くと「たるみ」に進行してしまいます。
また毛穴の状態から「たるみ」を観察することもできます。
通常は真円の毛穴が、楕円形の「たるみ毛穴」になり始めたらたるみが始まるサイン。そこからほうれい線やマリオネットライン(口角から下方向に伸びているしわ)が深くなることで、本格的な「たるみ」に進行するのではないかと考えられています。
「たるみ」は進行すると皮下組織に影響するため、もとに戻すのが難しくなってしまいます。
老化すると骨と筋肉が衰え、代謝不良によって皮下脂肪が増加し、支えられなくなった筋膜が伸びてしまいます。すると重力に逆らえずに下垂し、たるみが進行して老化した印象が加速していくのです。
ここまで皮下組織が衰えてしまったら、化粧品やサプリメントなどのホームケアで改善するのは困難であると考えられます。美容サロンの専門的な施術を受けるか、美容クリニックの治療を受けるのが改善への近道です。
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肌老化に気づいたら、できるだけ早めにケアをすることが大切です。ご自身に合ったケアを行い、しわやたるみが進行するのを防ぎましょう!
肌老化の初期段階であれば、スキンケアやサプリメントで改善できます。
肌荒れやキメの乱れには、保湿を徹底して表皮をケアしてみてください。サプリメントを使うなら「プラセンタ」「ウロリチン」など、細胞を活性化できるような成分が効果的です。
浅いしわがわずかに認められるような段階でも、キメを整えることで目立たなくなります。浅いしわが気になる段階なら、美顔器や酵素洗顔などで角質ケアを行うのもおすすめです。
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しわやたるみを改善するためには、栄養バランスの良い食事を取るようにしましょう。
スキンケアやサプリメントを取り入れることも大切ですが、肌を含め、体を作っているのは毎日の食事で取る栄養です。栄養バランスの取れた食事を前提とした上で、しわやたるみに効果が期待できる以下のような栄養素を積極的に取るようにしてください。
しわやたるみの改善には、肌のターンオーバーを促す質の良い睡眠を取ることも大切です。
睡眠中には、肌のターンオーバーを促進させる成長ホルモンが多量に分泌されます。睡眠不足になると、成長ホルモンが十分に分泌されず、ターンオーバーが適切に行われません。すると、肌の修復・再生がスムーズに行われなくなるので、しわやたるみが悪化してしまう可能性が高いです。ターンオーバーが促進されれば、しみや乾燥の改善も見込めます。
また睡眠中はコラーゲンも活発に作り出されるため、しっかり睡眠を取れば、肌の弾力がアップする効果も期待できるでしょう。
睡眠には脳が活動しているレム睡眠と脳が休息状態になるノンレム睡眠があり、成長ホルモンが多く分泌されるのは、ノンレム睡眠のときです。特に眠りについてすぐの90分程度の間に、成長ホルモンの分泌が活発になるとされています。このタイミングで深い眠りにつくには、睡眠の質を高めることが大切です。
睡眠の質を向上させるには、就寝前のスマートフォンの使用を避けるようにしましょう。温かい飲みものを飲んで体温を上げたり、リラックスできる環境に寝室を整えたりすることも、睡眠の質向上につながります。
キメの方向が長く、深くなっていくと「小じわ」と認定されるような段階に入ります。
「小じわ」が認められる場合は、エラスチン構造を補うスキンケアやサプリメントを使ってみてください。「小じわ」が細胞の深くまで下がってしまうと、真皮が乱れて「大じわ」「たるみ」に進行してしまいます。
「エラスチン」と一緒に「コラーゲン」が入ったコスメやサプリメントを使うのもおすすめです。2つの成分を一緒に取り入れることで、肌のハリ感をサポートする効果が期待できます。
肌のアンチエイジングというと、保湿や紫外線ケアなどが思い浮かぶのではないでしょうか?
しかし、もっと本格的に肌のアンチエイジングを行うなら「骨」の強化が重要です。特に閉経前後の女性は骨がもろくなりやすく、そこから筋肉や筋膜が衰えてたるみに進行してしまいます。
たるみの原因は骨・筋肉・筋膜の衰えなので、根本的に「骨」を強化することが大切です。
骨が弱くなっていると、その周りの筋肉や筋膜が引き締まりません。いくらサプリメントやEMSでケアしても、骨が弱いと十分な効果は得られないのです。
まずは骨を強化して、ベースの骨格を整えることから始めてみてください。まずは骨を丈夫にしてから、スキンケアや施術など次のステップに進みましょう。
骨の強化には「カルシウム」の摂取が効果的です。
▼カルシウムが豊富な食材
「カルシウム」を取るとき、「ビタミンD」が不足していると吸収が悪くなってしまう場合があります。「カルシウム」の吸収率を上げるためには、ビタミンDが豊富な食材と一緒に取ると良いでしょう。
▼ビタミンDが豊富な食材
「カルシウム」はサプリメントでも取れるのですが、取り過ぎると腎機能障害などのリスクが高まる可能性があります。そのため、できるだけ食べ物からバランスよく取るのがおすすめです。
また「リン」と一緒に取るとカルシウム吸収が阻害されるため、「リン」を多く含む加工肉やインスタント食品は控えましょう。
加齢によって自然にできると思われていたしわやたるみですが、実は肌荒れが原因ということが分かりました。
加齢によって「しわ・たるみ」が進行しやすいのは、ターンオーバーが遅くなることで古くなった細胞が残りやすくなるからです。つまり肌荒れやターンオーバーのケアに取り組めば、しわやたるみにストップをかけられます。
また、もっと根本的な構造を見ていくと「骨」「筋肉」「筋膜」が衰えることでたるみが進行し、老化印象を加速させていきます。本格的な肌のアンチエイジングに取り組むなら、骨も意識してフェイスラインのベースを整えてみてください。