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プラセンタとは、人間を含めた哺乳動物の胎盤のことです。また胎盤から抽出されたエキスもプラセンタと呼ばれます。母体と胎児をつなぐ胎盤は、胎児の栄養補給に欠かせない臓器で、タンパク質、脂質、糖質の3大栄養素をはじめ、豊富な栄養や細胞の修復・増殖を促す成長因子を含んでいます。
プラセンタにはさまざまな効果があり、疲労回復や細胞の再生、肩こり、ニキビ・美肌・アトピー、冷え性、更年期障害、肝機能障害などの改善に有効です。特に美容効果を期待して、プラセンタ配合のコスメやサプリメントを取り入れる方も多いですが、具体的にどのような美容効果が得られるのでしょうか?
本記事ではプラセンタの種類や期待できる美容・アンチエイジング効果、プラセンタを取り入れる方法などを解説します。プラセンタが配合されている製品は多数ありますが、効果を得るには選び方や使い方も重要です。プラセンタに興味を持っている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
プラセンタには「動物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」「植物性プラセンタ」の3種類があります。
それぞれの違いは、以下の通りです。
種類 | 代表的な原料 | 特徴 | 期待できる主な効果 |
---|---|---|---|
動物性プラセンタ | 豚 |
・豚は年に2回出産するため胎盤の採取がしやすく最も流通している ・JHFAマークがついているものは品質、安全性ともに信頼できる |
・細胞の再生・修復効果 ・保湿効果 ・しみ予防効果 ・抗酸化作用 ・エイジングケア効果 ・健康効果 |
馬 | ・他の種類よりもアミノ酸が比較的多い | ||
羊 | ・ヨーロッパで人気が高く安全性も高いものの、日本ではほとんど流通していない | ||
ヒト | ・医薬品に使われるのはヒトプラセンタ | ||
海洋性プラセンタ | 魚の卵を包む卵膜 |
・成長因子は含まれていない ・アミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸などの栄養成分が含まれている |
・健康効果 |
植物性プラセンタ | 植物の胎座 |
・成長因子は含まれていない ・アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分が含まれている |
・保湿効果 ・抗炎症効果 ・しわ改善効果 ・健康効果 |
プラセンタを取り入れる方法の一つにプラセンタ注射がありますが、これは医療機関のみで行える施術で、ヒト由来のプラセンタが使用されています。
市販のサプリメントやスキンケアコスメに用いられているのは、ヒト由来以外の動物性プラセンタが多いです。中でも豚プラセンタは抽出にコストがかからず、安定した供給が行えるため、多くのサプリメントやスキンケアコスメに配合されています。
プラセンタは胎盤のことなので、海洋性プラセンタや植物性プラセンタは厳密にはプラセンタではありません。動物性プラセンタのように成長因子は含まれていないものの、栄養成分を含んでいます。動物性プラセンタほどの健康効果や美容効果は期待できませんが、比較的安価なため、継続しやすいのが魅力といえるでしょう。
プラセンタの種類によって得られる効果や、効果の程度には違いがありますが、ここではプラセンタに期待できる4つの主な効果をご紹介します。
プラセンタが肌の内側にある真皮層の線維芽細胞の増殖を促すことで、ハリや弾力の維持につながるといわれています。肌は外側から表皮、真皮といった層になっており、真皮はコラーゲンやエラスチンで構成され、水分を保つと同時に、肌のハリや弾力にも関係しています。
コラーゲンやエラスチンなどは、線維芽細胞が活発に働くことで正常に作られるため、プラセンタが線維芽細胞の増殖を促進することで、コラーゲンやエラスチンも十分に作られるようになり、肌のハリや弾力につながると考えられています。
また、プラセンタに含まれる成長因子は、前述した通り細胞分裂を活性化させる因子です。細胞の働きを活発化することで、細胞の修復や再生をサポートしてくれます。
成長因子の働きによって、肌にハリを出す、しわやたるみの改善するといった効果が期待できます。
プラセンタは保湿効果も期待できます。プラセンタには遊離アミノ酸という成分が豊富に含まれており、この成分が潤いを与え、さらに皮膚を柔らかくすると考えられています。
プラセンタにはしみ予防効果が期待でき、医薬部外品の美白有効成分としても認められています。メラニンの元となるDHICAや、メラニンを作る際に必要になる活性酸素(チロシナーゼ)の働きを阻害するといわれており、この働きによってメラニンの生成が抑えられ、しみ予防効果が期待できるのです。
プラセンタには抗酸化作用も期待できます。抗酸化作用とは、活性酸素を作らせない、無毒化する、活性酸素によって傷ついた細胞を修復するなどの働きのことを指します。
肌が紫外線などの過剰な刺激を受けると、活性酸素と呼ばれる体の酸化ストレスを引き起こす化学物質を生み出します。活性酸素はしみ・しわなど老化の原因の一つです。
プラセンタの持つ抗酸化作用は、活性酸素種を中和することで、活性酸素による細胞の老化や損傷を防ぎ、健康を維持するのに役立ちます。そのため、プラセンタの抗酸化作用によってエイジングサインの予防につながります。
健康効果も期待できるプラセンタは、特定の疾患の治療にも用いられています。厚生労働省が治療効果を認めている代表的な疾患は以下の通りです。
上記の疾患の治療を目的とする場合、プラセンタ注射が行われるのが一般的で、保険適用で治療を受けられます。
更年期障害とは、更年期に現れる諸症状のうち、症状が重く日常生活に支障を来す状態のことです。症状がそれほど強くなく、他の病気を伴わない場合は「更年期症状」と呼ばれます。
更年期とは閉経の前後5年の計10年のことです。更年期に入ると女性ホルモンの分泌が急激に少なくなり、自律神経のバランスにも影響が出るため、さまざまな症状が現れることがあります。
更年期障害の主な症状は、以下の通りです。
プラセンタが更年期障害に作用するメカニズムは分かっていませんが、プラセンタ注射でこのような症状が改善されることが知られています。
肝機能障害のうち、保険適用でプラセンタ注射が受けられるのは、慢性肝疾患によって引き起こされる肝機能障害です。保険適用範囲や条件は、地域や医療機関によって異なります。
乳汁分泌不全とは、産後に母乳が分泌されない状態や分泌量が少ない状態のことです。
動物性プラセンタには、豊富な栄養だけでなく、アンチエイジング効果が期待できる「成長因子」が含まれています。成長因子がどのようなものなのか、またプラセンタにはどのような種類の成長因子が含まれているのかを見ていきましょう。
成長因子は、体内で特定の細胞の増殖や再生を促進するタンパク質の総称です。「細胞増殖因子」や「グロースファクター」とも呼ばれます。
成長因子は、体を構成する全ての細胞に存在している物質で、肌や骨、筋肉などの成長や修復に欠かせません。しかし年齢を重ねると成長因子は減少してしまうため、体や肌に衰えが見られるようになります。
健康な体や若々しい肌の維持をサポートする成長因子を補充できる方法として、医療分野や美容分野でプラセンタの活用が進んでいます。
プラセンタに含まれる主な成長因子と、それぞれに期待できる効果は以下の通りです。
前述した通り、プラセンタにはアンチエイジング効果が期待できます。具体的にどのようなアンチエイジング効果が得られるのかを見ていきましょう。
プラセンタに期待できるアンチエイジング効果の一つは美白効果です。
プラセンタには、メラニン生成に影響を与えるチロシナーゼやDHICA(ジヒドロキシインドールカルボン酸)の働きを抑制する作用があります。メラニン色素の生成を抑えられるため、しみ予防に効果的です。また肌のターンオーバーを促進する効果も持っているので、生成されたメラニン色素の排出を促す効果も期待できます。しみ予防だけでなく、今あるしみにもアプローチできるのが、プラセンタの特徴です。
血行促進効果もあるため、血行不良による肌のくすみを改善し、透明感のある肌へ導いてくれる効果も期待できます。
美肌効果も、プラセンタに期待できるアンチエイジング効果です。
前述した通り、プラセンタにはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞の増殖を促す作用を持つ成長因子が含まれています。肌の弾力を作り出すコラーゲンとエラスチンや、肌に潤いを与えるヒアルロン酸の生成が促進されることで、たるみやしわの改善効果が期待できるでしょう。
またプラセンタには、細胞を老化させる活性酸素を除去する抗酸化作用や、肌荒れによる炎症を抑える抗炎症作用も期待できます。
プラセンタの取り入れ方は、主に以下の3つです。
それぞれの違いについて解説します。
美肌を目指したいのであれば、美容液などのスキンケアで取り入れましょう。
今回の記事で紹介したプラセンタの美容効果は、基本的にスキンケアで外から取り入れる場合に期待されるものです。そのため、しみ予防、保湿、抗酸化作用、ハリ・弾力の維持などを目的とする場合は、プラセンタでスキンケアを行うのがおすすめです。
プラセンタで、美容効果も健康効果も得たい場合は、インナーケアができるサプリメントで取り入れましょう。
プラセンタのサプリメントを摂取することで、疲れやすさが軽減したり、肌にハリやみずみずしさを出したりする効果が期待できます。
プラセンタのサプリメントは、美容効果が期待できる成分がどれくらい入っているのか分からないものもあります。そのため、1日の摂取量に対するプラセンタの含有量が明記されている商品を選ぶことが重要です。
また、加熱殺菌処理をしていない「生プラセンタ」も販売されていますが、これは日本健康・栄養食品協会の品質規格基準を満たしておらず安全性が保証されていないため、安易な摂取はおすすめできません。
注射も肌への美容効果があるといわれていますが、厚生労働省に認められている効果は更年期障害と肝機能の改善のみです。そのため、それ以外の目的で注射を行う場合は、特に医師とよく相談して、効果や副作用を理解した上で治療に進むことをおすすめします。
また、ヒト由来のプラセンタを注射した人は、施術後に献血ができないというデメリットもあるため注意が必要です。
美肌目的でプラセンタを効果的に取り入れるためには、スキンケアを正しく行いましょう。美しい肌を保つためにも、適切なスキンケアが欠かせません。
スキンケアを行う前に重要なのが洗顔です。くすみを防ぐために、しっかり泡立てた洗顔料を使い、たまった汚れをスッキリと洗い落としましょう。
そうすることで、洗顔後の美容成分のなじみもグンとアップします。
また、見落としがちなのがすすぐ際の「水温」です。35℃以上になるとくすみやカサつきを招くので、30~34℃を目安にしましょう。
また、前髪の生え際や耳の下など、洗い残しがないように気を付けてください。
洗顔後の肌には、スキンケアを行います。
プラセンタのスキンケアとしておすすめなのが、原液タイプの美容液です。プラセンタの力をぎゅっと詰めた原液美容液が、気になる肌のくすみや乾燥に働きかけてくれます。
原液美容液の塗り方
ハリを与える効果が期待される原液美容液なら、重ね付けの際に目尻部分を伸ばして細部までなじませたり、頬を引き上げてほうれい線を伸ばしてなじませたりすると、すみずみまで丁寧に付けることができます。
透明感を引き出す効果が期待される原液美容液なら、しみやソバカスの上、紫外線の影響を受けやすい頬骨や鼻など顔の高い位置に重ね付けすると良いでしょう。
美容液を塗布後に、化粧水や乳液などの通常のスキンケアを行ってください。
基礎化粧品を使った肌へのダイレクトなケアと同時に、サプリメントで内側からも働きかけましょう。
プラセンタは胎盤であるため、食事からの摂取ができません。そのため、プラセンタ配合のサプリメントで補うのがおすすめです。
見た目の印象を良くするだけでなく、ぐったりとした重さや疲れを感じやすい人にも効果的です。プラセンタのサプリメントは、少なくとも2〜3カ月以上続けることで変化を感じやすくなります。リズムよく快調な1日のために、習慣化しましょう。
スキンケアやインナーケアの効果が現れるまでの期間は、特にデータがありませんが、十分な効果を実感したい場合は継続して使用することが大切です。効果を感じられても、使用をやめてしまえば肌や体の調子は戻ってしまいます。
一方、プラセンタ注射の効果を実感するまでには2〜3回の治療が必要で、その後は1回行うと2〜3日効果が持続するといわれています。そのため、最初は週に2回程度、2〜3カ月目以降は週に1回程度注射をするのがおすすめです。
プラセンタを選ぶ際はどのようなことに気を付けて選ぶと良いのでしょうか。スキンケア商品やサプリメントの選び方を解説します。
まず、スキンケアなどの外から取り入れるものの場合は、配合されている成分の量に着目しましょう。
スキンケア成分は、配合量が1%を超えるものは配合順に記載する決まりがあります。そのため、できるだけ成分の最初の方にプラセンタエキスの記載があるものを選ぶのがおすすめです。
経口摂取する場合は、アレルギーの報告もあることから、品質には十分注意する必要があります。基準となるのは「SPF豚」や「JHFAマーク」です。
SPF豚は、日本SPF豚協会が定めた基準を満たす豚のことで、抗生物質を与えず、厳しい管理のもとで飼育されているため、プラセンタの品質も高いといわれています。さらに、JHFAマークは日本健康・栄養食品協会の認定マークであり、こちらも徹底した品質管理と安全性試験をクリアするなど、厳しい品質規格基準を満たしたものに付けられるマークです。
これらの表示があるサプリメントであれば安全性は高いといえます。
プラセンタにはしみ予防や保湿効果、抗酸化作用、ハリや弾力の維持など、さまざまな美容効果が期待できます。さらに医薬品として更年期障害・肝機能障害・乳汁分泌不全を改善する効果も認められています。
プラセンタを摂取する方法は、スキンケア、経口摂取、注射の3種類があるため、自分の目的に合う方法を選んで始めましょう。
以下の記事では、プラセンタと同時に摂取したい栄養素・成分や、取り入れる際の注意点などについて解説しています。併せてご覧ください。
プラセンタとは?期待できる効果や取り入れ方・副作用をわかりやすく解説
プラセンタ化粧品やサプリメントには、基本的に副作用はほとんどないといわれています。しかしプラセンタ注射の場合、ごくまれに以下のような症状が現れるケースもあります。
注射の種類 | 効果のある疾患 | 副作用 |
---|---|---|
メルスモン | ・更年期障害 ・乳汁分泌不全 |
・ショック症状(冷や汗、息苦しさ、立ちくらみ、血圧低下など) ・悪寒 ・悪心 ・発熱 ・発疹 ・疼痛 など |
ラエンネック | 肝機能障害 | ・ショック症状(冷や汗、息苦しさ、立ちくらみ、血圧低下など) ・悪寒 ・悪心 ・頭痛 ・発熱 ・発疹 ・疼痛 ・硬結 ・そう痒感 ・肝機能障害(AST、ALT上昇など) ・女性型乳房 など |
また、サプリメントやスキンケアとして取り入れた場合は、上記のような副作用はほぼありませんが、アレルギーには注意が必要です。
前述したように、サプリメントなどに使用されるプラセンタは豚由来のものが多いため、豚のアレルギーがある人はアレルギー症状が出る可能性があります。
豚にアレルギーがなくても、まれに羊や鹿などのプラセンタを使用したものもあるため、アレルギーを持つ人は事前に医師に相談しましょう。
また、妊婦や授乳中の方、持病がある方、服薬中の方も医師に相談してから使用するようにしてください。
以下の記事では、プラセンタの副作用についてより詳しく解説しています。併せてご覧ください。
プラセンタの副作用を徹底解説|安全な選び方や注意点も
ここからは、プラセンタに関するよくある質問をご紹介します。
特定疾患の治療のプラセンタ注射を保険適用で行う場合以外は、プラセンタの使用に年齢制限はありません。
お肌の曲がり角といわれる20代後半から始めれば、肌のハリや弾力の維持、しみ予防ができるでしょう。また肌に衰えを感じてからでも、若々しい肌に導いてくれる可能性があります。
そのため、プラセンタを使用するのに、早すぎる・遅すぎるということはないのです。
プラセンタは他のサプリメントと併用しても問題ありません。ただし、サプリメントではなく服薬中の場合は医師に相談してから使用しましょう。
本記事では、プラセンタの効果について詳しく解説しました。最後にまとめをご覧ください。
■プラセンタの美容効果
■プラセンタ注射での治療効果が認められている疾患
■プラセンタの取り入れ方
プラセンタを使用する目的に合わせて、自分自身に適した方法で取り入れてみてください。